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アイディアを生み出す道しるべに 「ONE UNIVERSAL HUMAN TRUTH」をとらえた事例を紹介

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アイディアを生み出す切り口「SOCIAL INFLUENCE」と「DIRECT」とは

 ここからは日々アイディアを生み出すための具体的な切り口を4つ紹介していきます。

 生み出したいアイディアを山の頂上としたときに、そこに到達するための登山ルートがあるとすると、どの入り口から登山を始めても目指すべきゴールはひとつの頂上(アイディアの目的)となります。そのため、それぞれの切り口からアイディアを考え始めてみて、最終的にもっとも勝算がありそうなルートを選びとるイメージで進めていくのが良いと思います。

 今回と次回の2回にわけて、ひとつずつ解説していきます。

SOCIAL INFLUENCE(ソーシャル・インフルエンス)

 これはSNSを起点に人々を巻き込み体験させ、拡散を仕掛けることを意味します。単にインフルエンサーと呼ばれている発信力のある個人をキャスティングするのではなく、クリエイティブな仕掛けによって話題を拡散させるイメージです。

 この際にとても重要なのは、SNSで多くの人にリーチをさせるための情報の出し手と受け手を分けて考えるのではなく、受け手としての人々を能動的な発信者として巻き込む仕掛けであることがポイントです。

 私が手掛けた事例をご紹介します。アドビが音楽アーティストとコラボレーションし、ミュージックビデオを誰でも自由に編集してオフィシャルMVを作り出せるコンテストを開催しました。参加者はプロが撮影をした40タイプ以上の映像素材を無料でダウンロードすることができ、スマホで編集ができるというものです。さらに、作り出した作品は制作者がTwitter、Instagram、YouTubeに自由に投稿することも可能で、グランプリに選ばれた作品はオフィシャルMVとして認定されます。

 ファンや初心者にとってはプロの映像素材を自由に編集できる楽しさがあり、中上級者にとってはクリエイターとして世の中に自分の作品を知ってもらうきっかけにもなります。アーティストにとっても次々と作品が拡散されることで新たなファンの拡大につながり、企業も新しいクリエイターの裾野が広がることでビジネスの拡張に寄与します。

 まさに、SNSを起点に人々を巻き込み、体験させ拡散を仕掛けるということを体現しています。

DIRECT(ダイレクト)

 これは人々に現実世界でダイレクトな行動を促すことを意味します。先ほどのソーシャル・インフルエンスにも近いようですが、デジタルの世界よりも現実世界の方に力点が置かれている点が異なります。そのため、思わず参加をしたくなる驚きや意外性をデザインする必要があります。古くからある店頭での施策やプロモーションもこのカテゴリーに含まれますし、スマホなどを活用して行動を喚起するような仕掛けも考えられます。

SelfieSTIXの事例

この事例では、飼い主が犬と一緒にセルフィを手軽に撮影できるように、スマホにドッグフードを取り付けられるノベルティを開発して配布しました。飼い犬と一緒に写真を撮りたいけどなかなかいうことを聞いてくれない、といった飼い主共通の悩みを解消するアイディアです。

なにより、購入した飼い主が一緒に犬と写真を撮ってSNSでシェアするという行動を促す仕組みまでが見事にデザインをされている点が、まさにDIRECTな視点です。

Inglorious Fruits and Vegetablesの事例

この事例では、廃棄されている形の悪い野菜や果物を「ブサイクな野菜と果物」と銘打って売り場を作り、通常の30%ディスカウントで販売しました。普段は捨てられている不完全な商品に新たな価値を見出すという視点が秀逸なのと、それをユーモラスにパッケージすることによって、食品廃棄問題への取り組みもアピールしつつ、しっかりとセールスにも結びつけるという見事な仕掛けとなっています。

このように、広告的な情報やメッセージを伝える(リーチさせる)ことで止まるのではなく、行動喚起までが仕組みとして組み込まれているのがDIRECTのポイントです。ご紹介した事例のとおり、人の行動までを仕組み化することは、受け手にとって「絶対にやってみたい」と思えるような、かなり大きなベネフィットを与えねばなりません。

 今回はふたつの視点をご紹介しました。残りのふたつについては、また次回お伝えいたします。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/13250 2020/11/24 08:00

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