「Python 3.9.4」は、前バージョン「Python 3.9.3」にて意図せず導入された、ABIの非互換性に対処するためのホットフィックスリリースで、すべてのユーザーに対してアップグレードが強く推奨されている。
なお、「Python 3.9.3」はOpenSSLの重要なアップグレードや、pydocモジュールにおいて悪用される可能性のあるgetfile機能の削除、悪意のあるFTPサーバが応答を使用してクライアントネットワーク上のIPv4アドレスとポートの組み合わせを調査するのを防ぐための、ftplibにおけるPASVコマンドからの応答でサーバから返されるIPアドレスを信頼しなくなる変更が行われており、セキュリティ面で優先リリースだった。
また、Python 3.9系では、C拡張メソッドからのモジュール状態アクセスやdictへのunion演算子の追加、標準コレクションの型ヒントジェネリック、柔軟な関数と変数のアノテーション、安定した年次リリースリズムの採用、デコレータにおける文法制限の緩和、標準ライブラリでのIANAタイムゾーンデータベースのサポート、プレフィックスとサフィックスを削除する文字列メソッド、CPython用の新しいPEGパーサなど、Python 3.8系と比較して数多くの新機能追加および機能変更が行われている。