Google Cloudは、8月6日、マネージドデータベース「Cloud Spanner」に、新たな分析エンジン「Spanner columnar engine」を搭載したことを発表した。
Spanner columnar engineは、Spannerデータベースに直接新しい分析機能を提供し、グローバルな一貫性と高可用性を維持しながら、膨大な運用データのリアルタイム分析を可能にする。高速トランザクション書き込みと分析が一か所で実行できるようになり、データのコピーとレプリケーションの遅延がなくなる。
従来、SpannerなどのOLTPシステムは行指向ストレージを用いるため、取引処理には最適だが大規模な集計や検索には向かず、分析用途には別途データウェアハウスが必要であった。これにより、複雑なETLパイプラインや運用負荷といった課題が生じていた。
Spanner columnar engineは、既存の行指向ストレージに加え、列指向フォーマットを統合。この統合されたトランザクション処理と分析処理の設計により、分析クエリが最大200倍高速化される。
また、このエンジンを介してBigQueryとの連携も強化されている。Data Boostを用いたフェデレーテッドクエリでは、Spannerに格納されたリアルタイムデータの高速な分析が可能となる。これによって開発者やデータアナリストは、複雑なETLパイプラインなしでSpannerのライブ運用データをBigQuery内の他のデータセットと組み合わせて分析できる。
現在、Spanner columner engineはプレビュー版として提供されており、利用にはフォームからの申し込みが必要となる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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