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「クリエイティブなことは日本から始まる」 Apollo開発者独占インタビュー

「ガジェットはほんの入り口」 米Apollo開発者が語る目指すものとは

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2007/06/07 12:00

目次

Apolloはビジネス目的でも使えるの?

編集部
Apolloは開発者として、ホビーユーザーだけでなく、プロフェッショナルも対象にしているのでしょうか?
アドビ
その通りです。再三言いますが、ウィジェット市場を見据えてという訴求ではありません。あくまでも開発者としてはプロフェッショナル、Flash、Flex、Webまわり(JavaScript、HTML)といった方々を中心にお使いいただければと考えています。
編集部
プロフェッショナルを対象にするということは、Apolloでの開発は、実際にビジネスチャンスに繋がるのでしょうか?
アドビ
十分に採算が取れるようなアプリケーションになると、私達も思っていますし、そう期待しています。Apolloアプリケーションのスイートスポットとしては、先ほど述べましたとおり、既存のWebサービスやWebコンテンツを補完・補強していくようなものになるでしょう。これはサービス提供者にとっての差別化になり、ひいては売上増に繋がっていきます。それだけリッチなデスクトップでの体験を提供することができるんです。
 
もちろん、既存のWebサービスやコンテンツの補完だけでなく、スタンドアローンのApolloアプリケーションを作ってもらうこともできますし、それはそれで十分にメリットがあると思います。

Apolloの開発環境

編集部
Apolloの開発環境として、現在Flex 2 SDKが無償、IDEのFlex Builder 2が有償で提供されています。
 
例えば今後、Flex Builder 2の機能限定版を無償で提供されたり、Apollo専用のApollo Builderのようなものを提供される予定はあるんでしょうか?
アドビ
ご指摘のとおり、Flex 2 SDKは無償でダウンロードしてご利用いただけます。ただ、このSDKに関しては、基本的にコマンドラインでのテスティングやパッケージのテストを行っていただく前提で提供させていただいています。
 
この最大の利点は、使い慣れたエディタやIDEなどをそのまま使っていただけることです。Flash開発者であろうと、JavaScript開発者であろうと、開発環境への移行が容易です。
 
Flex Builder 2は、確かに基本的にFlex開発者向けに提供していますが、ブラウザ、やがてはデスクトップへとどんどん進化していきますので、今後、この辺りのツールの進化に合わせて、我々も定期的に価格帯や価格そのものの見直しを図る予定です。
編集部
日本での、Apolloに関するソースコードや各種技術情報の公開は今後強化されるのでしょうか?
アドビ
今は確かに限定的かもしれません。しかし、今回「Apollo mini Camp@Tokyo」を開催するなど、これからどんどん積極的に、日本市場への告知活動を行っていきます。
 
なにぶん、英語版のみの1.0がまず先に出て、その後、日本語が来年に出ることになっているので、どうしてもタイムラグが発生してしまう点はあります。ですから、夏から秋くらいを目処に、日本語版の発表が近づくにつれて、どんどん盛り上がりを見せてくると思います。
アドビ
また、私自身も共著という形でApolloの本を執筆していますし、有志の方々により日本語版もWebで公開されています。ぜひご覧ください。
編集部
ソースを共有できる、ソースレポジトリのようなものをアドビ社で提供することはありますか?
アドビ
今のところ、Apolloのソースレポジトリをアドビで提供する予定はありません。また、プロジェクトホスティングもないです。ただ、弊社内で開発していったものに関しては、どんどんソースコードをオープンにしていっています。私自身もいくつかサンプルアプリケーションを作って公開しています。

Apolloのプロモーション活動

編集部
日本での開発のプロモーション活動は考えていますか? 例えば、開発のコンテストといったような。
アドビ
まず本日、オフィシャルなイベントとして「Apollo mini Camp@Tokyo」を開催します。これは非常に初期のイベントでアドビが開発の最新情報をお伝えするという場です。
 
7月10日にはもっと大規模なイベント「Apollo Developers Night」を行います。こちらは、コミュニティや既にApolloで開発をされているデベロッパーの方々による参加型のイベントとして、彼らの今のビジネスの延長にApolloがどんなアプリケーションやコンテンツを提供できるか、デモバトルっぽく色々なみなさんの解釈を見ていただくという場を考えています。
 
それから、もう一つ大きなイベントとして、Maxというデベロッパー向けのカンファレンスがありまして、今年はアメリカ、ヨーロッパ、そして日本で開催されます。この日本で開催されるMax Japan(11月1日~2日)が、Apolloの日本への展開で非常にキーとなるイベントになると考えていて、それに向けて色々と仕込んでいる最中です。
 
それに向けて、コンテストのようなものも今、思索しています。おそらくワールドワイド連動の企画になるでしょう。

Apolloで生まれる新しいビジネス

編集部
先ほど、Apolloはビジネス目的でも使えるとの話が出ましたが、その辺をもう少し詳しく聞かせてください。
アドビ
今回、Apolloというプラットフォームに大きく期待している中に、「新しいインターネットビジネスの可能性」があります。インターネットの歴史では、初期のネットブームがあって、モバイルとの融合、最近のWeb 2.0のマッシュアップの世界というように、様々な節目がありました。その中で、Apolloが出現することにより、新しいビジネスが生まれてくるのではないかと考えています。
 
そのため、アドビとしてもApolloという技術プラットフォームを提供するだけでなく、昨年のMAX 2006でも発表しましたが、それらの新しいビジネスの可能性を加速するために100ミリオン アメリカドル程度の投資プログラムを用意しています。これは、アメリカ国外も対象となるので、ぜひ日本も含めアジアの中から、こういったApolloをベースとした面白いビジネスが生まれてきて欲しいと願っています。
 
アメリカでは既に、「Virtual Ubiquity」という会社に投資しています。彼らは「Webとデスクトップが融合した時にできる新しいワープロは何か」をテーマに掲げ、プロジェクトを進めています
 
社内でも非常に面白くて、例えば通常、PhotoshopとかFlexとか担当しているチームが決まっていますが、Apolloはすべてのチームに関わるので、内部でも色々なリレーションシップができています。非常に多方面の人間が関わって、次の製品に仕上げようとしているので、戦略的な重要なプラットフォームであることは、内部から見ても間違いありません。

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著者プロフィール

  • CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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