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話題のあの人にインタビュー!

「クリエイティブなことは日本から始まる」 Apollo開発者独占インタビュー

「ガジェットはほんの入り口」 米Apollo開発者が語る目指すものとは


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その他に気になること

編集部
アプリケーションを登録したりダウンロードしたりするサイトは提供されるのでしょうか?
アドビ
よくこの質問はいただきます。今現在、正直申し上げて、アプリケーションの一元的なレポジトリを立ち上げるかどうかはまだ検討段階です。インフラはもちろんあります。ただ、既にサードパーティの方で、そのようなサイトがいくつか立ち上がっているようです。

編集部
デスクトップアプリケーションの多くは、データアクセスが必要だと思いますが、今後、直接DBにアクセスできるようになる予定はありますか?
アドビ
たしかに、ビルトインでDBにアクセスするAPIは用意していません。今のところ、基本的にミドルウェアを使う形になりますが、開発者の中には既にActionScriptでDBのドライバなどを設定している方もいますので、初期の段階ですが、一部直接DBにタッチしていただけるようなものもあります。なお、ActionScriptですが、JavaScriptからも利用できます。

編集部
Apolloの多言語化に対応しているのでしょうか?
アドビ
対応しています。アルファ版でもアプリケーションの日本語化、あるいは随所でのローカル化を行えます。実際に私も、MP3プレイヤーのプロジェクトの中で、ローカル化を担当しています。Flex 3.0では、フレームワークの中にローカライゼーションのフィーチャーを入っていますので、今まで以上にやりやすくなると思います。ただ、アルファ版の現在でも可能です。

編集部
HTMLのレンダリングエンジンに「WebKit」を採用された理由は?
アドビ
いくつか理由があります。2つの大きな理由を説明すると、一つは「なるべくApolloのサイズにインパクトを与えない」ということでした。我々は5~9MBに収まることを目標にしていたので、現在のApolloのサイズ(WebKitを含めて約5.5MB)は、その範囲でも下位の方にあたり、非常に満足しています。
 
もう一つは、PCだけでなく、やがて各種デバイスで展開することを想定したときにも、WebKitが最善の策であろうということです。ちょうと我々がWebKitの採用を決めたタイミングで、ノキアもWebKitを採用してシリーズ60を出しましたし、AppleのiPhoneでもWebKitの採用を決めています。
 
また、オープンソースのプロジェクトですので、我々が積み重ねてきた努力がコミュニティに寄与できると思っています。
編集部
現在、WindowsのHTML表示で、日本語のデザインが崩れる、日本語入力ができない(IMEが効かない)ことについては?
アドビ
Windowsに関してはかなり調整が必要でした。そして、まだその作業が続いているという状況です。

編集部
アプリケーションの自動アップデート機能はありますか?
アドビ
あります。アルファ版では、ローレベルではありますがローレベルのAPI、さらに先ほど少し触れましたがFineTune、デスクトップでももう既に下位のAPIを使っています。ベータ、そしてバージョン1.0では、もう少しハイレベルなAPIを想定して進めていきます。

編集部
他の開発言語との連携は将来的にありえますか? 例えばJavaとか。
アドビ
一応、対応は可能です。クライアント側にApollo、そしてサーバ側をJavaやPerlで構築して、クライアント・サーバの関係ということであれば大丈夫です。
 
あと、たまに開発者からApolloのアプリの中にjarファイルを入れ込みたい、といった要望もあるんですが、その辺も含めてまだ検討中です。いずれにせよ1.0以降の話となります。

Apolloの関する日本への期待

編集部
最後に、日本の開発者に向けて伝えたいことがあれば、一言お願いします。
アドビ
私はマクロメディア時代から一貫してFlashの開発に携わってきましたが、洗練されたクリエイティブな作品が日本発でどんどん生まれてくるのは、従来から変わっていない兆候だと思います。メッセージがあるとすれば、「ぜひこのまま行ってください。このままの勢いを保って、そして今までどおりクリエイティブなものを、どんどん日本発で発信していってください」ということです。
編集部
本日は、どうもありがとうございました。

まとめ

 初見では、サンプルでよく取り上げられるユニークで小さいデスクトッププログラムの印象から、ウィジェットやガジェット技術の競合、ホビーユーザー向けと言う印象があった。しかし、今回取材を進めていく中で明らかになったApolloがもつスケールアップやビジネスへの対応力に、クロスプラットフォームでの動作、リッチなユーザ体験などを考慮すると、次世代のアプリケーションの一つの形といえるかもしれない。

 単に新しい技術として注目するだけでなく、Apolloが創り出す新しいビジネスの可能性についても期待したい。

 なお、Apolloの最新情報をいち早く入手したい場合は、今回取材を行ったMike Chambers氏のブログをチェックしておくとよいだろう。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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