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「クリエイティブなことは日本から始まる」 Apollo開発者独占インタビュー

「ガジェットはほんの入り口」 米Apollo開発者が語る目指すものとは

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2007/06/07 12:00

CodeZineでは先日、アドビシステムズ社に「Apollo」に関する単独取材の機会を得ました。そこで明らかになった、Apolloアプリケーションの可能性・ビジネスへのアプローチ・日本市場への期待とは?

目次

CodeZineでは先日、アドビシステムズ社(以下、アドビ)が開発を進めるRIAのデスクトップ実行環境「Apollo」について、単独取材の機会を得ました。ここでは、同社 デベロッパーリレーションズ担当 シニアプロダクトマネージャーのMike Chambers氏に伺った内容を紹介します。

Mike Chambers氏
Mike Chambers氏

Apolloの現状とマイルストーン

編集部
本日はどうぞよろしくお願いします。早速ですが、Apolloの現在の開発状況、今後のスケジュールについてお聞かせください。
アドビ
パブリックベータを今年の夏、1.0版を秋の後半~冬の初め頃(遅くとも2007年内)に公開する予定です。検討中ですが、2回目のパブリックベータを夏の終わり~秋の初め頃にリリースするかもしれません。
 
1.0の時点では英語版のみのリリースとなります。ApolloのUIやインストールなどは英語になりますが、日本語対応のアプリケーション開発はもちろん行っていただけます。正式な日本語版は、2008年の前半くらいのリリースを想定しています。
編集部
米国でのApollo開発者の動向は?
アドビ
大変な盛り上がりを見せています。1年前から情報を公開してきましたが、特にこの9カ月間で大変な勢いがあります。FlashやFlexのコミュニティ、Web開発者の皆さんが、早くから色々と着手してくれているようです。
 
アルファ版は、主にFlexの開発者を想定して出しましたが、ベータでは、JavaScript、AJAXなどにもきちんと対応できるようになっているので、ぜひ幅広いWeb開発者の皆さんに使っていただきたいです。現在のところは、積極的にApolloの認知度を上げる点に注力しています。
編集部
現在、Apolloの開発者はどれくらいでしょうか?
アドビ
6週間前の数字では、SDKのダウンロード件数がざっと14万件でした。どれくらいの勢いと盛り上がりを見せているのかが、簡単にお分かりいただけると思います。アルファ版で14万件という数字は、私達が期待していた以上です。
編集部
日本での普及の見込みは?
アドビ
ちょうど今晩、「Apollo mini Camp@Tokyo」を催しますが(5/24取材時点)、250人の定員が告知からわずか6時間で埋まるほど人気を博しています。また、あちらこちらで日本の開発者から期待を寄せているという声を耳にしますね。
 
とかく面白いもの、クリエイティブなものは日本発が非常に多いので、それを踏まえた上でも、日本での人気はアメリカに負けないくらい大きくなるのでないかと予想しています。

Apolloはどう使う?

編集部
既に何か面白い活用事例はありましたか?
アドビ
例えば、「DryerFox」というアプリケーションがあります。
乾燥機の中で、FireFoxのようなブラウザ画面がランダムに回転する
乾燥機の中で、FireFoxのようなブラウザ画面がランダムに回転する
アドビ
実用の価値は別にして、目新しさという点では非常にクリエイティブです。Apolloの強みの一つは、開発者がアプリケーションの見せ方を自由に表現できる点にあると思うので、その意味では非常によい活用例ではないでしょうか。
 
他には、「New Apollo Desktop Toy: Sheep」も面白いです。
羊が空から降ってきて、タスクバー上をテクテク歩くデスクトップマスコット。
スナップすると飛んでいく
羊が空から降ってきて、タスクバー上をテクテク歩くデスクトップマスコット。スナップすると飛んでいく
アドビ
私自身、Flashの世界に8年間居ましたが、Flashコミュニティの開発者・プレイヤーは、誰もが想像し得なかった方向性にどんどん開拓してくれるので、本当に面白いです。
 
これらはちょっとしたお遊びですが、多くの機能を持つ本格的なアプリケーションも、どんどん出てきています。
編集部
Apolloの普及に繋がるキラーアプリのようなものは考えられますか?
アドビ
もちろん、自分でもキラーアプリがイメージできれば、作ってお金儲けをしようと思います(笑)。ただ、これとは言えませんが、どういったものがキラーアプリになりうるかということで、「既存のWebアプリケーションを補完・強化していくもの」がおそらく主流になっていくと思います。
 
一つ例を挙げると、「finetune」という楽曲のプレイリストを共有できるWebサービスがあります。ここでは、Apolloを利用してWebとデスクトップ上のプレイヤーを連携させるなど、ユーザビリティを向上される機能強化がかなり図られています。
finetune
finetune
アドビ
また「eBay」も、デスクトップ向けのフィーチャーをドンドン強化しています。そういった既存のWebアプリケーションを強化できるのがApolloの強みですね。
アドビ
もちろんアドビでも独自に、Web 2.0でのカラーマネージメントを行う「kuler desktop」や「Adobe Media Player」など、Apollo上で動くソフトウェアの開発を進めています。

Apolloはウィジェットを作るためのもの?

編集部
Apolloで作れるアプリケーションのサイズ・機能は?
アドビ
本当に小さなものから、エンタープライズ級の大きなものまで、すべてに対応できると言えます。これは実際のところ、ちょうど1年半前からApolloについて議論し始めた際に、我々が直面した一つの課題でした。
アドビ
Apolloというと、どうしてもウィジェット系のエンジンを連想して、皆さんが最初に着手するのはウィジェットから、というのが一般的だと思います。Diggのコンテストにも、多くのApolloアプリケーションがエントリされていますし、Apollo上でどんどんウィジェットを作りこんでいる方もいます。ただ、Apolloではそれらを発展させて、さらにフルフィーチャーでエンタープライズでも十分耐えうるものを作れるのが、最大の強みだと考えています。
 
例えば、既にeBayでもフルフィーチャーのクライアント開発を進めていますし、本当にすべての範囲を網羅できると思いますね。
編集部
GoogleガジェットやYahoo! ウィジェット、Windows Vistaガジェットといった競合技術については、どうお考えですか?
アドビ
もちろん、そういったウィジェット、ガジェットは対象範囲ですが、Apolloそもそもの開発コンセプトとして、そこだけを中心に開発した訳ではありません。そういった意味で最大の差別化は「スケールアップできること」だと思います。
 
そのため、例えば最初はウィジェットとして開発していても、Apolloであれば開発していく中で、様々な機能を追加して本格的なアプリケーションに拡張したい、といったことにも対応できるんです。

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著者プロフィール

  • CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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