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注目スタートアップに訊く! エンジニア組織が不確実性に対処するめの心掛け

なぜ国内No1登山アプリの開発組織はコロナ禍でも成長を継続できたのか? スピード感を支える組織力をヤマップに学ぶ

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 多くのアプリ開発では、現在のサービスを継続しながら、ユーザーの要望を汲み取って改善をし、価値を高めていくことが要求される。開発に関わる人たちは、高い不確実性のなか、迅速にプロジェクトを進めていかなければならない。登山のためのGPSアプリ・プラットフォーム「YAMAP(ヤマップ)」では、コロナ禍の逆風のなか、過去最大のMAU(月間最大アクティブユーザー数)を獲得するなど、その高い組織力によって変化に耐えられる戦略を迅速に展開している。同社のプロダクトマネージャーとエンジニアの2人に、スタートアップのエンジニア組織の一員として心掛け、実践していることについて聞いた。

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あなたの開発組織はどうですか? ヤマップでの不確実性に対する心掛け

  • 技術先行で素早くアイデアを実現し、検証を行うことができる仕組みはありますか?
  • ツールの導入にとどまらず、フィードバックと情報共有の文化は根付いていますか?
  • メンバーの専門性を生かしながら、属人化を避けることはできていますか?
  • 不確実な状況のなかで「早めにうまく失敗する」ための、心理的な余白はありますか?

現場の熱意をユーザーと共有する文化が、プロダクトに磨きをかける

 スタートアップ企業のエンジニアリング組織には、不確実性のなかでスピード感を持った開発が要求される。YAMAPでは、戦略をすぐに機能として提供できる組織力がある。その片鱗は、アプリの正式な機能として採用する前に、開発中の機能をユーザーに公開する実験的な場である『YAMAP LABO』にも現れている。こうした柔軟な取り組みの背景には、どんな組織体制があるのだろうか。

 プロダクトマネージャーの大塩氏は、組織自体が方向転換しやすくなっていると話した。半年ごとに会社の目標と達成度を測る指標であるOKR(Objective and Key Result)を定めていて、さらに3か月ごとに社長と、事業のトップのメンバーが集まり、意識合わせをしている。

 「2020年、ちょうどコロナ禍に差し掛かった時が3か月の見直しのタイミングでした。そのときも、意思決定の権限を持っているメンバー全員がその場で一堂に会し、一気に判断できました。上層部の意思決定がスムーズなのも、スピーディーな開発につながっています」(大塩氏)

 上層部のOKR決定や振り返りの際には、現場のエンジニアの「こんな機能を作りたい」というアイデアも加味される。登山やアウトドアが好きなメンバーが集まった組織だけに、現場の想いを汲み取ることが、エンドユーザーに対する価値提供につながるからだ。

 YAMAPが小さな組織だったころは、社長の熱意に呼応するような、社員の提案による開発が行われてきた。組織が大きくなるに従って、その秩序を保つためにOKRの仕組みを取り入れた現在でも、現場の意見を採用する文化はそのまま根付いており、それが今ではYAMAP LABOへと受け継がれている。

 登山ルートから離れたら警告する『ルート外れ警告』は、YAMAP LABO発で正式にサービスとしてリリースされた機能。これを主導したAndroidエンジニアの落石氏は「普段の仕事を止めて、半日くらいで実装して社内のブログみたいなところに共有して……YAMAP LABOとして展開してみようとなったのです。LABOで公開しているものは、研究中とか、ベータ版という意味合いを持つので、ユーザーもその気持ちで使ってもらえて、もしもうまくいかなかったら手を引けます。うまくいけば本サービスに採用します」と説明した。

 YAMAP LABOは価値検証のため、技術先行でさまざまなアイデアを披露する場として機能している。売上のKPIを持たずにカジュアルにリリースできるため、スピード感を持った提供が可能となっている。また、たとえベータ版であっても、本サービスの機能と同じようにユーザーが利用することでフィードバックを得ることが、プロダクトのグロースにつながるという。

YAMAP プロダクトマネージャー 大塩 雄馬氏
YAMAP プロダクトマネージャー 大塩 雄馬氏

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情報共有とフィードバックの文化がコロナ禍の混乱で生きた

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

小林 真一朗(編集部)(コバヤシシンイチロウ)

 2019年6月よりCodeZine編集部所属。カリフォルニア大学バークレー校人文科学部哲学科卒。

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/14459 2021/07/19 11:00

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