事業成長に伴い、自社開発チームとSREチームを発足
ベガコーポレーションは、ECを軸として二つの事業を展開している。主力事業である家具インテリアECサイト「LOWYA(ロウヤ)」と、海外ユーザーをターゲットとした医薬品化粧品などのECプラットフォームである「DOKODEMO」の運営だ。
2004年に福岡で創業後、2016年にマザーズに上場以来、17期連続で増収。直近は売上高193億円と順調に成長を続けている。正社員数は239名で、業務委託も含めると300名強規模の会社だが、そのうちエンジニアは60名弱と、エンジニア比率が高い。その理由を、福岡本社のシステム統括部 サービス開発部で部長を務める上月康行氏はこう語る。
「ベガコーポレーションはD2C(Direct to Consumer)というビジネスモデルで、家具などの商品企画から配送まで一貫して自社で担っています。そして、このバリューチェーン、商品企画、輸入商品ページの制作、マーケティング、受注カスタム、物流などの全システムを自社で開発・保守・運用を行っている。そのため、エンジニアの活躍領域が非常に広いことが弊社の特徴の一つだと思います」(上月氏)
販売チャネルとしては、楽天市場、Amazon、PayPayモールなどのいわゆるショッピングモールへの出店もあるが、メインの販売チャネルは自社ECサイトであるLOWYA。同社では旗艦店と呼んでおり、昨年比192.6%と順調に拡大している。
LOWYA事業の成長に伴い、自社サイトである旗艦店を強化していくために、同社では旗艦店開発チームを発足。その後、機能の拡張性やスケーラビリティの課題を100%内製開発で解決すべく、旗艦店のリプレイスに取り組むSREチームを発足している。そのSREチームを2018年に立ち上げたのが、システム統括部 技術戦略部 SREグループ グループ長の小原一真氏だ。
「当時、ECプラットフォーム事業の新サービス開発を進めるにあたり、そのインフラ改善をメインのミッションとして活動していました。そこから徐々に担当範囲が広がり、全社のインフラ周りを改善するための新規部署として独立。2018年にSREグループを立ち上げました。ちなみにその時はまだエンジニアは私1人でした」(小原氏)
SRE(Site Reliability Engineering)とは、サイトの信頼性向上を目的としたエンジニアリングであり、信頼性に重きを置きつつ、できる限り課題解決を自動化、仕組み化していくことであると解説する小原氏。これを同社のミッションに置きかえると、業務拡大に合わせ高い信頼性を維持/提供することだという。
「業務側の目標に対して、システムがボトルネックにならずに達成可能であること、課題が浮上しても仕組みで解決し、品質を高めていけることをミッションとしています」(小原氏)