習慣化の最初の一歩は「範囲目標」の設定
20年前に創業した当初、代表取締役の片岡俊行氏をはじめ、創業メンバーは全員学生だった。「全員CEO制度」や「有給取り放題」「給与は自己決定」など、ユニークな経営で知られる株式会社ゆめみ。実は日本で最もQiitaやSlackを活用し、毎月5000万人が利用するBnB2C共創事業を展開するエンジニア集団である。
そんなゆめみもコロナ禍で完全リモートワークを余儀なくされ、社員の生産性が低下した。そこで社内でサークルを立ち上げ、習慣化を達成するための取り組みを行ったところ、なんと習慣化達成率95%を実現したのだという。習慣化とは、性格や意思の力によるものではなく、技術だと言い切る片岡氏が実践しているのが「7つの超習慣技術」だ。
- バカらしい目標設定をする
- コミュニティの力
- 過半数の法則
- トリガー設計
- ネガティブ化
- 積読のススメ
- 月曜日が楽しくなる
まず、習慣化において一番大切なのはやはり「目標設定」。だが、ここで陥りがちなのが「高すぎる目標設定」だ。意気揚揚と高い目標を掲げても、三日坊主で終わってしまっては意味がない。そこで片岡氏が紹介した超習慣技術の1つ目は「バカらしい目標設定をする」こと。高い目標とともに最低限の目標を定める「範囲目標」という考え方である。一番高いMAX目標と一番低いMIN目標を設定し、その範囲に入っていればOK。MIN目標はバカらしいほど低くていいのだと強調する。
「読書をするという目標であれば、本を開いて1行読む。日記を書くなら『日記書くの面倒くさいな』って日記に書く、ジムに通うのが面倒なら、玄関にある運動靴に足を通すだけでOKとか。バカらしいぐらい簡単なミニマム目標を設定すればつまずかないし、乗り越えられるんです」(片岡氏)
興味のないような作業でもやっているうちにやる気や集中力が出てくるという「作業興奮」と呼ばれる心理現象に基づいた理論である。
とはいえ、目標を設定したもののなかなか走り出せないという人もいるだろう。そこで次に大事なのが、身近な友だちに目標を宣言すること。それが、2つ目の「コミュニティの力」だ。宣言する友だちは親友である必要も、大人数である必要もない。宣言を聞いてくれる人であれば誰でもOK。大事なのは、毎日報告すること。その報告内容もごく簡単な内容、できなかったらできなかったことを伝えれば問題ないという。