アカリクは、「エンジニア需要と大学院生の採用動向に関する2021年総括と2022年展望」を12月20日に発表した。
同レポートによれば、全体の有効求人倍率が1.2~1.6倍で推移する中で、情報処理・通信技術者(ITエンジニア)の有効求人倍率は1.5~2.5倍程度と、「ITエンジニアの人材不足」が明らかになっており、2021年は数年前から警鐘が鳴らされてきた「ITエンジニアの人材不足」が、いよいよ顕在化・深刻化してきたといえる。
半導体エンジニアの不足はより深刻で、2008~2014年頃の人員整理にともない採用を絞った結果、今を支える人材が育っていないことが、現在の深刻な半導体エンジニア不足につながっているという。
このような事情により、ITエンジニアや半導体エンジニア経験者の中途市場での採用が激化していることから、経験者を採用するのではなく「素養ある新卒を採用・育成していこう」という企業側の流れも出てきており、大学院生が注目を集めている。
研究過程を通じて、論理的思考力やデータ分析力、課題を自己解決する力を培った大学院生は、ITエンジニアや半導体エンジニアになる素養があると考えられており、アカリクが6月に行った調査でも、大学院修了者が持つ強みやポテンシャルとして、「論理的思考力」が51.0%、「データ分析力」が47.1%、「プログラミング能力などのハードスキル」が26.0%を占めた。
ほかにも、大学院修了者に対しては、「会話を読み取る力が強い」「高度な資格を持っている人材が多い」といった意見が寄せられ、大学院生が磨いてきたアカデミックな知識や思考力が、実際の仕事の現場でも十分に生かされることがわかっている。また、「業務領域」と「大学院の専攻」が異なっていても採用したい、という声も挙がっており、大学院生のポテンシャルの評価および「多様性」の観点から、2022年度も大学院生の採用需要がますます高まると見込まれる。
企業による、大学院生に対する評価の高まりにともない、大学院生の就職活動の動き出しが早期化しており、例年と比較して1か月~2か月ほど早まっているほか、企業からも説明会を1か月前倒ししたいとの要望が挙がるなど、学生の就職活動の早期化に合わせて、企業側の動きも早期化する傾向がみられる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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