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Developers Summit 2022 レポート(AD)

「build service」に見るクライアントワークのプロダクト開発で成功するアプローチ【デブサミ2022】

【18-A-8】クライアントワークとプロダクト開発の親和性を追求~共創と信頼を作り出すエンジニアリングアプローチ~

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開発の準備期間、ディスカバリーフェーズにおけるポイント5つ

 今回の主要テーマはクライアントワークでのデジタルプロダクト検討の進め方と、当サービスのエンジニアリングアプローチの詳細となる。

 まずはデジタルプロダクト検討、つまりディスカバリーフェーズの進め方となる。これは次のフェーズとなる開発に着手するための準備期間だ。チームビルディングしながら進めていく。小岩井氏はポイントを5つ絞り、順に解説する。

ディスカバリー フェーズは開発の準備期間
ディスカバリー フェーズは開発の準備期間

 1点目は顧客のビジネスへの理解。顧客の課題にフォーカスし「なぜその課題を解決したいのか」「背景になにがあるか?」「どのようなビジョンを持っているか?」など質問して、互いに理解を深めていく。顧客が十分にアイデアを深めていない場合には、フォアキャスティングやバックキャスティングのワークを行う。小岩井氏は「ここではチーム全員が“自分事”として検討や開発を進めるマインドセットとリズムを作ります。場合によっては私たちがお客さまよりもビジネスやプロダクトを考えるくらい前のめりになり検討していきます」と話す。

 2点目は仮説検証サイクルの定着。新規事業のデジタルプロダクト検討は不確実性が高いことが前提となる。円滑にプロジェクトを進めるためには仮説検証が重要になる。この仮説検証にはデプスインタビュー(一対一の面談形式)やプロトタイプアプローチなどを使い分ける。この結果からMVP(実用最小限のプロダクト)設計やPRD(製品要求仕様書)など継続アップデートを進めていく。仮説検証サイクルは次の開発フェーズでも行うため、ここで定着させていく。

 3点目はチームが目指す姿とチームサイズ。共同作業の人数が増えると、1人あたりの生産性が低下すると各所で証明されているため、スモールチームを前提として自己管理型で機能横断型のチームを目指す。チームビルディングは最初が肝心だ。どういうチームを目指すかを最初に定義し、どんな機能や役割が足りないかを明確にしていく。

 なおこの段階ではプロダクトオーナーやプロダクトマネージャーだけで検討が進む場合も多いが、ここではプロダクトオーナーに加えてエクスペリエンスデザイナー、ソリューションオーナー、ソリューションアーキテクトが加わるため、全方位をカバーして進めていくことができるようになっている。

 4点目は開発に入る前の準備の定義。「何をもって開発の準備ができているか」は事前にチーム内で合意しておく必要がある。主な項目にはプロダクトチャーター、PRD、アジャイルやスクラムの合意形成、デザイン・プロトタイプ、初期のプロダクトバックログがあり、最も重要になるのが技術要件をどれだけまとめ切れているかになる。非機能要件も含めて、アーキテクチャや開発言語、クラウドやツール選定などをきちんと整理していく。

 5点目はデリバリーチームへの連携。一般的にディスカバリー(検討)フェーズとデリバリー(開発)フェーズでメンバーが入れ替わることが多いが、ここではディスカバリーチームがデリバリーチームにジョインする。継続したプロセスとして見なす。こうすると重厚な引き継ぎの資料やドキュメントが不要となり、スムーズにデリバリーチームとの共同ワークに移行できる。

 なおこのサービスではエンジニアのロールを細分化している。一般的にスクラムでは推奨されていないものの、小岩井氏は「ロールを分けるデメリット(ハンドオフが発生)をチームの横のつながり(文化)でカバーします。またロールを分けることで、それぞれの専門性を伸ばすことを考えています」と狙いを話す。

次のページ
実現可能性と実行可能性を確立させていくためのアプローチ

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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