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Power Automate Desktopチュートリアル

Windows10の無償デスクトップ自動化ツール「Power Automate Desktop」でデータ登録を自動化する

Power Automate Desktopチュートリアル 第9回

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 Power Automate Desktopは、自動化可能な作業の流れ(フロー)をデザインし、実行するためのソフトウェアです。第8回ではPower Automate Desktopフローからのメールの送受信の操作を使用したフローのデザインを紹介しました。第9回は、データベースアクセスをするアクションを紹介します。

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 [注意] 本稿ではデータを管理するRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)製品として、単一のPCユーザーのデスクトップ環境で使用できる(煩雑なサーバー構成を必要としない)Microsoft SQL Server Express LocalDBを使用します。インストール方法は後述します。

 もちろん、Power Automate for Desktopは、サーバー構成のSQL Serverや、Access、SQLite、Oracle、PostgreSQLなど、他のRDBMSにもアクセスすることができます。他のRDBMSの場合、本稿とは細かい接続文字列やコマンド文は異なりますが、その部分を適切に書き換えれば、置き換え可能です。

 また、前回に引き続き、Power Automate for Desktopからメールの受信に使用可能なIMAPサーバーとアカウントがある環境を想定しています。本稿ではGmailを利用します。メールメッセージを取得アクションでGmailの認証エラーが発生する場合は、第8回の「注意」を参照して対応を試みてください。

対象読者

  • Excel/PowerPointなど、一般的なツールの操作を理解している人
  • RPAツールを用いて業務を自動化したい人

データベースアクション

 業務において、大量のデータの蓄積、そこからの抽出・分析、結果の活用を行う場合があります。通常、エンドユーザーは業務用にカスタマイズされたアプリケーションソフトウェアで、システム管理者はDBMSに付随したコマンドラインツールまたはGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)ツールで、それぞれデータを操作します。

 Power Automate for Desktopでも、以下のアクションを使用することで、同様のデータベースアクセスを実行できます。

  • SQL接続を開く
  • SQLステートメントの実行
  • SQL接続を閉じる

 アクションに記述するコマンド文はデータベース格納先の製品に依存しますが、ひとたびフローを作成してしまえば、DBMSを変更した場合もコマンド文の部分を書き換えるだけで、同じフローが実行可能です。データベースアクセスに際しては、まず、接続を開いた後、ステートメントを実行してデータを取得/更新し、最後に接続を閉じます。

 本稿のサンプルでは、前回のIMAPサーバーから未読メールを受信して、メッセージ一覧をExcelシートに表示したフローを改良して、データベースのテーブルに格納するように変更します。

 そのために、まずはデータベースとメールメッセージを格納するテーブルを作成します。

[Note]Microsoft SQL Server Express LocalDBのインストールについて

 MicrosoftのRDBMSの製品であるSQL Serverの無償版「SQL Server Expressエディション」をアプリ開発用に煩雑な設定なしにローカルのみで使用するための最小限の構成が、LocalDBです。以下の手順でインストールしてください。

  1. SQL Server のダウンロード | Microsoft」から、SQL2019-SSEI-Expr.exeをダウンロード
  2. インストーラーを実行して、[インストール]の種類から[メディアのダウンロード]を選択
  3. [どのパッケージをダウンロードしますか?]のラジオボタンで[LocalDB]を選択
  4. [ダウンロード場所の選択]を確認するか、任意の場所に書き換え
  5. [ダウンロード]ボタンをクリック
  6. [4]で指定したフォルダーに、SqlLocalDB.msiがダウンロードされたことを確認
  7. SqlLocalDB.msiを実行して、インストールウィザードに従ってインストール

 既定で「MSSQLLocalDB」という名前のインスタンス(=RDBMSのサーバーを表す単位)が作成され、サービスが実行されます。本稿でもそのインスタンスを使用します。

 SQL Serverの場合、データベースの作成・維持管理など、すべてのDB操作はsqlcmdコマンドやSQL Server Management Studio(SSMS)で行うことができます。本稿では使用しませんが、使用する場合には別途インストールしてください。

次のページ
データベース/テーブルの作成とデータベース関連アクション

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 飯島 聡(WINGSプロジェクト イイジマ サトシ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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