V8 JavaScriptエンジンとRust言語を使用したJavaScript/TypeScriptランタイムであるDenoの開発チームは、最新バージョンとなる「Deno 1.24」を7月21日(現地時間)にリリースした。
「Deno 1.24」ではまず、実行ファイルの生成方法が変わった。これまで「--check」フラグが付いているときはTypeScriptコードをTypeScriptコンパイラでJavaScriptに変換していたが、今回のバージョンからはどのようなときでもSWC(Speedy Web Compiler)を使うようになり、処理速度が向上した。また、「deno check」コマンドで型チェックだけを実行するときに、中間生成物を作らなくなった。
続いて、「unhandledrejection」イベントが加わった。このイベントは.catch()ハンドラやthen()文を持たないpromiseオブジェクトが拒否されたときに発生する。また、「beforeunload」にも対応した。このイベントは、イベントループで実行することがなくなり、脱出しようとするときに発生する。
さらに、実行中のモジュールの指定子を出力する「import.meta.resolve()」APIが加わり、Foreign Function Interface APIでは、JavaScriptのコールバックをC言語の関数として扱えるようになった。加えて、Foreign Function Interface APIの処理速度が最大で200倍ほど速くなった。
ほかには、型チェックだけを実行する「deno test」コマンドで、対象のファイルのパスをコマンドで指定せずに、設定ファイルで指定することが可能になり、複数のファイルを対象に並列で型チェックする際のフラグが「--parallel」に変わるなどの変更が加わった。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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