はじめに
JRubyはJavaで作られたRubyの処理系で、今年の6月にバージョン1.0がリリースされました。Javaで作られているということから分かるように、Java仮想マシン上でスクリプトを動かすものです。
最近、こうした「Java上で動くスクリプト言語」というのがずいぶんと注目されるようになってきました。Groovy、Jython、更にはJava FXというのも登場しました。既に、Java SE 6には標準でJavaScriptが組み込まれており、JRubyや、ここにあげたスクリプト環境は、ほぼすべて次のJava SE 7で標準化されるだろうと言われています。
本稿ではこのJRubyの導入方法やEclipseとの連携、簡単なサンプルなどを紹介していきます。
対象読者
- Rubyに興味を持っているJavaユーザー。
- Java SE 7のスクリプト言語対応を今から体験してみたい人。
- Javaの膨大な機能をもっと簡単な言語で利用できればいいのに、と思っていた人。
JRubyのインストール
JRubyは現在、JRuby公式サイトにて公開されています(実際にはhttp://jruby.codehaus.org/が使われているようです)。ファイルのダウンロードは、以下のURLから行えます。
2007年8月現在、JRubyの最新版は1.0.1となっています。このページより、JRubyのバイナリファイル(Windowsの場合は、jruby-bin-1.0.1.zip)をダウンロードしてください。JRubyは、zipまたはtar.gzの圧縮ファイルとして配布されています。この圧縮ファイルを展開し、作成されたフォルダ(jruby-1.0.1)をどこか適当な場所に配置します。
JRubyを実行するためのプログラム(batファイル)は、binディレクトリ内に用意されています。このディレクトリを環境変数pathに追加しておきましょう。Windowsでは次のように行ってください。
- 「システム」コントロールパネルを開き、現れたウインドウから[詳細設定]タブを選択します。Vistaの場合には「システム」コントロールパネルを開いた後、左側のタスクから[システムの詳細設定]を選択します。
- [環境変数]ボタンをクリックします。画面に環境変数を管理するダイアログが現れます。
- システム環境変数から「Path」変数を選択し、[編集]ボタンをクリックします。ここで、現在設定されている値にJRubyのbinディレクトリパスを追記します。例えば、「C:\jruby」にインストールされているならば、「C:\jruby\bin」というパスを、値のどこか(一番前か最後あたり)に追記します。それまでの値との間には
;
記号をつけておくのを忘れないようにしてください。
これでインストール作業は終了です。コマンドプロンプトを起動し、そこからjruby -v
と実行してみましょう。Pathが正しく設定されていればJRubyのバージョン情報が表示されます。