米Oracleは、Javaプラットフォームの最新バージョンである「Java19」の提供を9月20日(現地時間)に発表した。なお、「Oracle JDK 19」はプラットフォームの機能強化を含む、パフォーマンス、安定性およびセキュリティ面の更新が提供される。
最新のJava Development Kit(JDK)では、7つのJDK Enhancement Proposal(JEPs)によるアップデートと改良が行われている。これらのアップデートのほとんどは、以前のリリースで実装された機能を改善するものとして提供される。
Java19で提供される主なアップデートは以下の通り。
- JEP 405:レコード・パターン(プレビュー)
レコード・パターンとタイプ・パターンをネストさせ、強力で宣言的、かつ構成可能なデータ・ナビゲーションと処理を実行する。これにより、パターン・マッチングが拡張され、より高度で構成可能なデータのクエリが可能になる。
- JEP 427:switchのパターン・マッチング(第3プレビュー)
複数のパターンに対して式をテストできるようにすることで、switch式および文のパターン・マッチングを有効にして、複雑なデータ指向のクエリを簡潔かつ安全に表現できるようになる。
- JEP 424:外部関数・メモリ API(プレビュー)
Javaプログラムが、Javaランタイム外のコードやデータとより簡単に相互運用できるようにする。APIは、外部関数(JVM:Java Virtual Machine 外のコード)を効率的に呼び出し、外部メモリ(JVMによって管理されていないメモリ)にセキュアにアクセスすることで、Javaプログラムによるネイティブ・ライ ブラリの呼び出しやネイティブ・データの処理を純粋なJava開発モデルで実現する。その結果、使いやすさ、パフォー マンス、柔軟性、安全性が向上する。
- JEP 426:ベクトルAPI(第4インキュベーター)
サポートするCPUアーキテクチャにおいて、実行時に確実にベクト ル命令にコンパイルされるベクトル計算を表現することで、同等のスカラー計算と比較して優れたパフォーマンスを実現する。
- JEP 422:Linux/RISC-V Port
JDKのメインライン・リポジトリにこのポートを統合することで、Linux/RISC-Vの実装をより容易にするための基盤が作られる。
- JEP 425:仮想スレッド(プレビュー)
Javaプラットフォームに軽量な仮想スレッドを導入することで、高スループットの並列処理アプリケーションの作成、保守、監視にかかる負担を劇的に軽減する。仮想スレッドを使用することで、開発者は既存のJDKツールやテクニックを使って、並行処理アプリケーションのトラブルシューティング、デバッグ、プロファイ リングを容易に行うことが可能。
- JEP 428:構造化された並行性(インキュベーター)
マルチスレッドのプログラミングを簡略化し、異なるスレッドで実行される複数のタスクを1つの作業単位として扱うことで、エラー処理やキャンセル処理を効率化し、信頼性を向上させ、可観測性を高められる。
米Oracleは、今後もリリース・スケジュールに基づき、6か月ごとに新しいJava機能のリリースを提供していく予定。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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