米Supabaseは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム「PostgreSQL」をWebブラウザで動作させる「Postgres WASM」を10月3日(現地時間)に公開した。Postgres WASMは、MITライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェア。
Postgres WASMという名称を見ると、PostgresSQLをWebAssembly(WASM)で書き直したもののように見える。実際に開発チームも当初はその手法を使って、Webブラウザ上でPostgreSQLを動かそうとしていたとしている。しかし、実際に作業を進めてみると事前の予想以上に困難であることが分かった。
そこで開発チームは、「v86」というWebブラウザ内で動作する仮想マシンを利用することにした。v86は、x86の機械語コードをWebAssemblyに変換して動作させるものだという。サイズを縮小したLinuxとPostgreSQLを用意して、v86で動作させるという仕組みだ。
Postgres WASMは、PostgreSQL バージョン14.5を基にしており、ファイルへの保存や、ファイルからのリストアに対応する。メモリ使用量は128MBから1024MBの間で調節できる。
開発チームは、今回公開したソフトウェアについて興味があって作ったもので、実用的ではないとしている。一方で、PostgreSQLをWebブラウザで動作させることによって、大きな可能性が開けてくるともしている。その可能性の一つとして、テスト環境、開発環境を挙げている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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