米HashiCorpは、同社のInfrastructure as Code(IaC)環境である「Terraform」向けの新たな開発キット「Cloud Development Kit for Terraform 0.13」を10月10日(現地時間)に公表した。
Terraformでは、パブリッククラウドなどのデータセンターから、どのような仕様の仮想マシンを作成して提供するかをコードの形で記述することを可能にしている。ただし、標準では「HashiCorp Configuration Language」という独自言語で、新たに準備する環境の仕様などを記述する必要がある。
そこでHashiCorpは、2022年8月に「Cloud Development Kit for Terraform 0.12」という開発キットを公開した。HashiCorp Configuration Languageではなく、TypeScript、Python、C#、Java、Goといった汎用言語で仮想マシンの環境を記述できるようにしたものだ。
今回公開したバージョン0.13では、仮想マシンを準備するときの処理性能を主に改善した。前バージョンでは、JavaやC#で記述したコードから環境を作成しようとすると、TypeScriptを使用した場合に比べて時間がかかるという問題や、Pythonを使用した場合に大きすぎるクラスを生成してしまうといった問題があったという。
新バージョンでは以上のような問題を解消したほか、全体的に処理性能を引き上げている。例えば、Microsoft AzureにおいてGoを使って仮想マシン環境を記述した場合、仮想マシンの準備までにかかる時間が96.8%短くなり、Google Cloud環境においてJavaで仮想マシン環境を記述した場合に仮想マシンの準備にかかる時間が83%短縮するなど、大きな効果が得られている。
処理性能を引き上げるために、言語仕様を改変した。具体的には、Terraformのリソースやデータソースに由来する名前空間を導入した。このため、前バージョンまでに使用していたコードを使用するには修正が必要になることがあるとしている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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