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Google、Flutter開発者を対象にした2022年第3四半期調査の結果を発表

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 米Googleは、クロスプラットフォームのUIツールキット「Flutter」の、2022年第3四半期調査の結果を12月9日(現地時間)に発表した。この調査は四半期ごとに実施しているもので、今回は主にFirebase SDK for Flutter、クイック・フィックスとリファクタリング、開発ターゲットについて開発者に尋ねた。

 Firebase SDK for Flutter(FlutterFire)は、Firebaseが提供する機能をFlutterアプリケーションに組み込むことを可能にする開発者キットだ。Firebaseは認証、データベース、Google Analytics、メッセージングなどの機能を提供し、現時点で15種類のFirebaseプラグイン・パッケージが利用可能になっている。Googleは開発者に、どのような教材があればFirebase SDK for Flutterが使いやすくなるかを聞きたかったようだ。

 回答の集計結果を見ると、最も多かった回答は「実際の用途に近いサンプルプログラムが十分とは言えない」という回答が14.2%で最も多かった。新しい種類のFirebaseパッケージを試すときに、参考になるサンプルが少ないということだ。Googleはこの回答を受けて、今後はFirebaseの解説文書により多くのサンプル・アプリケーションを追加するとしている。

 2番目に多かった回答は、「APIの設計があまりに複雑であるか、不便であるかのどちらか」で、11.0%が回答した。この回答はいくつものパッケージに共通しているという。Googleはこの回答を受けて、学習教材をより単純なものにする方針を示した。さらに、既存のAPI、新しいAPIの両方とも、なるべく分かりやすいものにしていくとした。

 3番目に多かった回答は、「公式文書の質が全体的に低い」というもので、10.4%が回答している。そこでGoogleは、Flutter開発者のためのFirebase解説文書の改善を計画しているとしている。改善の成果は次の四半期には現れ始めるだろうとしている。

 クイック・フィックスとリファクタリングについては、2022年の調査で、開発者たちから欠落している、あるいは十分な機能がないと指摘を受けたという。しかしFlutterでは統合開発環境(IDE)でのクイック・フィックスとリファクタリングに対応している。Googleは今回の調査で、なぜ開発者たちはIDEでクイック・フィックスとリファクタリングが使えないと考えたのかを知りたかったとしている。

 集計結果を見ると、53.1%の回答者がクイック・フィックスとリファクタリングは良く機能しているとしている。一方で、34.6%の回答者はより多くの機能が必要だとしており、12.4%の回答者はクイック・フィックスとリファクタリングの機能に問題が多く、修正が必要だとしている。

 より多くの機能が必要だと回答した開発者を対象に、どのような機能が必要かを尋ねたところ、クイック・フィックスに「コンパイル・エラーや警告を修正し、静的解析を実行する機能」が必要という声が76.4%で最も多かった。ほかには「ウィジェットの取り外しや移動」(69.2%)の機能が欲しいという声が多かった。Googleはウィジェットの取り外しや移動の機能はすでに実装しているとし、開発者はウィジェットをファイルに出力するなどのより細かい機能を求めていると判断し、関連機能の開発に取りかかった。

 開発ターゲットについては、Androidが91.7%で最も多く、以下iOS(61.3%)、Web(35.5%)、Windows(17%)、macOS(11.2%)、Linux(7%)という結果になった。複数回答可の設定で尋ねたため、回答が重複していることもある。そして、前月はたった一つの環境を開発ターゲットとしていたという回答は24%にとどまった。残りの76%は2種類以上の環境をターゲットとして開発しているということになる。

 Googleはさらに、回答者が所属する開発チームに、回答者とは異なる環境をターゲットにしてFlutterアプリケーションの開発に取り組んでいる人がいるかどうかも尋ねた。その結果、61%がほかの環境をターゲットにして開発している同僚がいると回答している。

 Googleはこの結果から、91%のFlutter開発者チームが複数の環境をターゲットに開発を進めていると見積もっている。そして、少なくとも72%の回答者がAndroidとiOSの両方に向けてアプリケーションを開発していると算出している。

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