セーフィーの開発者が語る、クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」とは
セーフィーは2014年10月創業、2021年9月には東京証券取引所 東証グロースに新規上場した勢いのある企業だ。「映像から未来をつくる」をビジョンに、テクノロジーを駆使して映像データを活用するクラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」の開発・運営をしている。
特徴は高画質、高セキュリティ、低価格。従来の防犯カメラはVGAなので30万画素だが、SafieはHDなので100万画素。とても鮮明でテレビのようになめらかな画像になっている。また録画データはAES125ビット以上なのでとても強固な暗号化技術が使われており、通信経路も暗号化されている。高画質、高セキュリティでありながら、料金体系はシンプルなカメラ本体の初期費用と月額利用料からなりリーズナブルな価格となっている。
クラウドドリブンなカメラOS、あらゆるサービスと連携できるAPIを提供するなど、モダンな技術を駆使していることから推測できるように、Safieは多くの多様なエンジニアによって支えられている。どのようなキャリアチェンジを経て現在どのような仕事をしているのか、率直なところを語ってもらう。
登場するのは次の3人。まずVPoEの谷口元信氏。海外の大学で自然環境の生態管理を専攻した後、国内IT企業に就職してシステム開発に携わり、フリーランスのエンジニアを6年経験する。再び医療系企業に就職した後、2019年からセーフィーにジョインし、今では組織改善や開発に注力している。
続いて河津正和氏。大学卒業後に大手広告代理店系のWeb制作会社でプロジェクトや開発で経験を積み、後に研究開発部で自社サービス立ち上げやディレクションも行うようになる。2021年からセーフィーにジョインし、サーバーサイドエンジニアとして自社プロダクトの開発・運用改善を担う。
最後に江守巧氏。大学卒業後に国内コンピュータ機器メーカーでスキャナドライバの開発に携わり、後にリーダーとしてエンジニアをけん引する。海外営業として中国に在住した経験もある。2021年にセーフィーにジョインし、前職の経験を活かしてフロントエンドエンジニアとして開発に精を出している。
セーフィーエンジニアのキャリア経験とそこから学んだこととは?
3人のパネルディスカッションの様子は次のように進んだ。
──江守さんは営業の経験をはさみ、セーフィーでフロントエンドエンジニアをしていますが、どのようなきっかけで現職に?
江守巧(以下、江守):前職はスキャナの開発経験を活かし技術営業をしていた時、すごくやりがいがありました。しかしペーパーレス化が進みスキャナの売上が減少し、スキャナではない商材を売るようになってきました。また担当していた運輸業界ではスキャナでは解決できないという課題に直面したこともあり、あらためてエンジニアとして技術力で貢献したいと考えたことが転職につながりました。
──谷口さんは2022年4月からVPoEですが、元々マネジメントのキャリアパスを目指していたのでしょうか?
谷口元信(以下、谷口):マネジメントの興味はさほど強くないと思っていますが、最初のSI企業でリーダー経験を積ませてもらったり、フリーランスの時も他のフリーランスを採用してプロジェクトを回したりするなど、自然とマネジメント実務をしていました。前職でもエンジニアスタートから最終的には管理職にいきつきました。一度手を動かす方に戻りたいと思ってセーフィーに転職しましたが、多くのエンジニアがいろんな経験を積めるような組織体系にしたいという思いからVPoEとしていろんな施策を動かしているところです。
──河津さんは現在サーバーサイド(バックエンド)の開発をしながらPdM(プロダクトマネジャー)に挑戦されていますね。
河津正和(以下、河津):もともとソフトウェアを作る過程や、技術選定、コーディングなどの業務が好きなのですが、プロダクトを開発する過程でそもそもどこにビジネス的な課題があるか見つける機会が少ないと感じていて、PdMで仮説を立てて機能を作る業務をすれば得意になるかなと思い、上長に相談してやらせてもらっています。今はPdMで得たものをエンジニア業務に活かせたらと思っています。明確なキャリアチェンジではなく、両方やらせてもらえているのでいいなと思っています。
──江守さんは営業から開発に戻りましたが、どんなメリットやデメリットがありましたか?
江守:メリットは営業や企画と一緒に客先に同行してヒアリングや製品デモをする機会を得ることができることや、キャリアパスで見ても、営業の知見を活かしてセールスエンジニア、マネジメント、PdM、いろんなキャリアプランを考えることができます。
デメリットは(技術領域が変わったので)開発を一から学ぶことへの不安です。前職ではC言語を使っていましたが、現在はTypeScript+Angularを使うため作法が異なり自信がなくなった時もありました。今はチームの勉強会で理解を深めたり、自分で勉強する時間をとるなどして不安を解消するようにしています。
──河津さんはエンジニアとPdMを両立するメリットとデメリットと、どのようにバランスをとっていますか?
河津:メリットはリフレッシュ、つまりコードを書いたり、企画を考えたり、切り替えつつ仕事ができることです。ずっとコードを書くだけだと飽きちゃう性格なので。デメリットはバランスのとりかたの難しさです。集中したほうが効率的ですが、どちらも中途半端にならないように苦労しています。現在進行形の悩みです。今は曜日で分けるなど、試行錯誤しています。ノウハウを確立したいです。
多様なエンジニアが存在する開発チームのそれぞれの役割
──セーフィーだとVPoEはどのようなことをしますか?
谷口:スタートアップ企業だとCTOが技術戦略に加えて組織開発を担うこともありますが、一人ですべてのロールをこなすのは厳しいのでVPoEという職種が出てきました。開発組織の課題を見出し解決に導くので、採用、評価、教育もあります。ふわっとしていますが、広範囲で見ていく必要があります。
──谷口さんのキャリアではVPoEは初めてかと思いますが、これまでとの違いや苦労はありますか?
谷口:前職までは自分のキャリアを高める、スキルを磨くことが主軸でしたが、VPoEになると他の人がいい体験をできるようにしていくことを考えています。自社のエンジニアに加えて他社のCTOやVPoE、エンジニアに話を聞きながら試行錯誤しています。
河津:人に関わる職種だと企業ごとに違うので、他社事例がそのままあてはめられるとは限りませんものね。
谷口:そうですね。しかし一方、自組織だけ見ていても狭い範囲の改善になってしまうかもしれませんので、全く異なる組織の話を聞いて「そういう発想もあるのか」と気づくこともあります。
──やりがいはどうでしょう?
谷口:面白いです。今後はこういう組織を作る職種はどの企業でも必要になると考えています。昔のように会社の言うとおりの仕事をしていれば定年まで安泰という時代ではないですから、個々がどのようなスキルを持って生きていくかを考えながら、会社と対等な立場で仕事をしていくかが大事になります。
それも踏まえて会社から社員の成長に必要なものを提供しながら、一緒に成長していけるような環境を作ることは面白いです。私自身もそうやって成長してきたので。
──セーフィーではキャリアチェンジが多いようですが、会社のカルチャーによるものなのでしょうか?
谷口:手を挙げればいろいろ経験できますが、尻込みしてしまう人もいます。そこでちゃんと1on1でその人の希望を理解して、キャリアパスの観点からもすりあわせて、一緒に仕事をしていけるようにしています。
セーフィーでは技術領域に特化した職種が多く、デバイスエンジニア、フロントエンジニアのなかでもWebとモバイル、サーバーサイドでもインフラやSREなど多岐に分かれます。フルスタックを目指したい人もいると思います。それぞれ学ばないといけないことが多いので、オンボーディングも力を入れています。オンボーディングの環境作りはPDCAで改善の積み重ねだと思いますので、取り組みを継続していこうと思っています。
セーフィーが目指す開発チームとは?
──セーフィーの開発チームが目指す将来について、VPoEからまとめのコメントをお願いします。
谷口:セーフィーは比較的若い企業で、早い段階からIoTネットワークカメラを主軸としたサービスを展開しています。エンジニアが触れる技術領域はかなり幅広くあるかと思ってます。
また日本ですでに17万台ほどのネットワークカメラがつながっており、お客様の声を聞きやすい環境にあります。お客様の課題を解決するために、どのようなプロダクトを作るか、次に何をすればいいか、意思決定もしやすい会社です。
今後ますますビジネスと開発は切り離せなくなりますので、(顧客のビジネスを考慮するような)経験を早い段階で積んでおくと、その先のキャリアや自分自身のバリューが広がっていくと思います。開発しながらもいろいろな経験が積めるような体制を作りあげている過程ではありますが、すでに新しい挑戦をしている方もいますし、より良い改善を積み重ねていこうと思います。エンジニアが「セーフィーに入社してよかった」と感じられるようにしていきたいです。興味があればカジュアル面談などにご応募ください。