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Developers Summit 2023 セッションレポート(AD)

技術的負債の解消を阻む組織の壁──経営と現場を繋げ、開発者体験を高めるには?

【10-C-7】「そんな装備で大丈夫か、もっといいDeveloper eXperienceを頼む」を大規模開発でやってみた話

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 技術的負債の解消のために、開発者体験の向上が欠かせないことは自明だ。しかし、実際に開発者体験向上のための取り組みを進めてみると、必ず組織の壁にぶつかる。この壁を乗り越えるための知見として、株式会社Works Human Intelligence Product Div. DX Squad Grp 萩田篤氏は、同社において2021年から取り組んできた開発者体験向上の取り組みについて紹介を行った。

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技術的負債の解消を困難にする「組織的負債」

 株式会社Works Human Intelligence(以下、WHI)は、国内の人事パッケージ製品市場において高いシェアを持つ統合人事システム「COMPANY」を開発・提供する企業。COMPANYは約1200の大手法人グループに採用されている統合人事システムで、初代バージョンがリリースされてから既に20年以上が経過している歴史ある製品だ。

 人事・給与・勤怠などの分野を中心に、これまで数多くの企業の基幹業務を支え続けてきた同製品だが、歴史が長いが故の課題も徐々に顕在化しつつあると萩田氏は語る。

株式会社Works Human Intelligence Product Div. DX Squad Grp 萩田篤氏
株式会社Works Human Intelligence Product Div. DX Squad Grp 萩田篤氏

 「COMPANYは20年以上にわたって価値を生み出してきた製品ですが、長年にわたり増改築を繰り返し、その都度個別最適を繰り返してきた結果、製品の複雑性が高くなってしまい、技術的負債がかなり蓄積していました」

 機能を実装した当時は最適解だと思われた方式も、時間の経過とともに陳腐化してしまい、現在では技術的負債となってしまったコードが多く存在していた。そのためコードに変更や修正を加えようとするたびに多くの手間と時間をとられ、開発生産性が下がっていた。

私たちの製品・組織の歴史(技術的負債)
技術的負債となってしまった経緯の詳細

 またこうした技術的負債があまりにも蓄積されており、開発部門単独では問題を解決できず、どうしても他部門や経営陣の協力を得る必要があったが、コードだけでなく会社の組織体制も実態とそぐわなくなっていたため、なかなか身動きが取れない状況だった。萩田氏はこうした状況を「組織的負債」と呼び、技術的負債とあわせて解決する必要があると感じていたという。

 「組織と担当業務との間にミスマッチが生じていたり、組織体制からこぼれ落ちていたタスクを現場のボランティア活動に依存し続けていたりするなど、組織面でもさまざまな課題を抱えていました。こうした課題が長らく放置されてきた最大の原因としては、やはり現場と経営との間に距離があり、問題認識に食い違いが生じている点が大きかったと思います」

次のページ
たった4人の改善活動が全社規模に拡がるまで

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

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提供:株式会社Works Human Intelligence

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