SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2023 セッションレポート(AD)

技術的負債の解消を阻む組織の壁──経営と現場を繋げ、開発者体験を高めるには?

【10-C-7】「そんな装備で大丈夫か、もっといいDeveloper eXperienceを頼む」を大規模開発でやってみた話

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

たった4人の改善活動が全社規模に拡がるまで

 そこで萩田氏ら社内有志が集まり、これら技術的負債と組織的負債を返済しながらより良い開発者体験(Developer eXperience)を実現しようと行動を起こした。それまで社内の各所で個別に改善活動を繰り広げていた同志を集め、2021年にまずは4人のグループで活動を開始。手始めに少数の開発者にヒアリングを実施し、現場が抱えている課題を可視化する取り組みを始めた。

 やがてこの自主活動は7名体制のチームへと発展し、日本CTO協会が作成したDX進捗度を評価するアセスメントシート「DX Criteria」と照らし合わせながら自社のデジタル化の現状を客観的に評価する取り組みに着手した。その結果、DX Criteriaの基準から大きく乖離していることが判明した。

 この結果を受け、早急に状況を改善する必要があると判断した萩田氏らだったが、当時の組織体制では実行力のある改善活動を進めるのは困難であると思われた。その理由について同氏は次のように述べる。

 「全社規模の観点からリソースを最適配置して利益の最大化を図りたい経営と、自分たちの組織が持っているリソースを活用して効率よく業務を遂行したい現場とでは、戦っているフィールドが根本的に異なります。そのため、現場視点の改善と全社規模の最適化を同時に実現するには、両者を橋渡しできる『組織全体の課題解決に責務を持つ組織』を作る必要があると考えました」

トップマネジメントと現場でゲームが違う
トップマネジメントと現場ではゲームが違う

 そこで萩田氏らが経営陣に働きかけた結果、2022年に新たな組織「プロダクトDMO」が発足する。早速この組織を中心に、社内の開発者全員を対象にアンケート調査を実施し、現場の課題を拾い上げて可視化する取り組みを始めた。記名式のアンケートだったにも関わらず300件近い回答が寄せられ、これらの内容をプロダクトDMOで精査した後に優先順位を付けた後、実際の改善活動に取り組むことになった。

次のページ
開発者体験向上のための取り組みの数々

この記事は参考になりましたか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Developers Summit 2023 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Works Human Intelligence

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/17576 2023/04/19 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング