米Googleの、WebブラウザChrome開発チームは、最新バージョンとなる「Chrome 113」を、5月2日(現地時間)にリリースした。
「Chrome 113」は、Direct3D 12やMetal、Vulkanと同様にGPUでのレンダリングおよび演算処理を可能にするWeb用APIである、WebGPUに対応している。同APIはWebを念頭に置いてデザインされており、JavaScript APIに準じた機能や映像入力のサポート、優れた開発エクスペリエンスを提供するエラーメッセージといった機能を搭載する。
なお、現在広く用いられているWebGLライブラリのうち、Babylon.jsはすでにWebGPUを完全にサポートしており、PlayCanvasは初期のWebGPUサポートを表明、TensorFlow.jsはほとんどの演算子がWebGPUに最適化され、Three.jsはWebGPUのサポートを進めている、といった状態となっている。
また、DevToolsは「Network」パネルにてレスポンスヘッダを上書きできるようになるとともに、新たなヘッダの追加も可能になった。
さらに、プライバシーサンドボックスの一部であり、サイト間の関係を宣言することで、ブラウザが特定の目的で制限付きサードパーティCookieアクセスを許可できるようにするFirst-Party Setsの、安定版のロールアウトが進められている。
Chromeは、First-Party Setsにおける取り組みの一環として、Storage Access APIの実装および拡張によってサイトによるサードパーティCookieへのアクセスをリクエスト可能にしており、関連サイトを持つ組織はシングルサインオンや共有セッションといったサービスを引き続き提供できるようになる。なお、このAPIはテストや評価を可能にするため、数週間をかけて徐々にロールアウトされる。
ほかにも、プレフィックスのないimage-setが利用できるようになるとともに、メディア機能であるoverflow-inlineとoverflow-blockのサポート、WebGPUとWebCodecsの統合に向けたトライアルなどが含まれている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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