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Developers Summit 2023 Summer セッションレポート(AD)

なぜ「COMPANY」は迅速な法改正対応を実現できるのか?~変化する業務にシステムを対応させる術~

【A-6】変化する業務にシステムをどう対応させるか - WHIの法改正対応の事例から学ぶ -

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断片的な情報から、業務とそのメリットをあぶり出す「カタログ思考」

 まず1つ目は、法改正対応によって変化する業務について、「断片的な情報から業務を想定する」ことを前提として要件を設定した。通常の業務システム開発では、業務要件は業務担当者が持っており、そこからヒアリングするのが定石だろう。しかし、「COMPANY」では、法改正後の業務について「誰も分からない」ことを前提に、断片的な情報から業務を想定して企画・開発を行っている。

 この業務想定の考え方、「課題を深く想定してメリット(提供価値)をベースに解決策を考える」というアプローチを、WHIでは「カタログ思考」と呼んで重視している。平田氏は「カタログとは『使うとメリットがある』と訴求し、商品を買ってもらうもの。この『メリット』の裏側には課題の想定がある。つまり、課題をどこまで深く理解し想定できるかによって、より高い価値を持つ『メリット』を提供できる」と説明する。

 例えば、COMPANYの社会保険サブシステムに「人事給与情報から保険者に電子申請するデータが自動で作成できる」というメリットを持たせるには、「毎月数百人から数千人の申請作成で、必要な情報を複数の情報源から収集するのに手間がかかって困っている」という課題を深く理解し、具体的に想定できていることが必要となる。つまり、製品や機能を使う人の「困りごと」をどれだけ深くリアリティをもって実感できるかがカギになる。

 この「カタログ思考」によってメリットある機能を大量に生み出し続けた結果、COMPANYはカスタマイズのいらないパッケージへと成長してきた。平田氏は「この『カタログ思考』を全ての開発者がDNAとして持つことで可能になった」と語る。

 これによって、前述の「公務員共済の短時間労働者への適用拡大」についても、「毎月数百人~数千人の共済短期/一号厚年組合員について、複数の保険者制度に即して判定・届出作成する際の手間がかかり、困っている」という課題の想定がかない、COMPANYの共済サブシステムについて「共済短期/一号厚年組合員に対し、複数の保険者の制度に即した標準報酬算定、届出、掛金等控除が自動化できる」というメリットを創出できた。

「カタログ思考」で断片的な情報から業務を想定する
「カタログ思考」で断片的な情報から業務を想定する

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断片的な情報に既存情報を掛け合わせ、業務想定の解像度を高める

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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