米OpenAIは、エンタープライズ品質のセキュリティとプライバシー、無制限かつ高速なGPT-4へのアクセス、長い入力を処理するためのより長いコンテキストウィンドウ、高度なデータ分析機能、カスタマイズオプションなどを搭載した「ChatGPT Enterprise」の提供を8月28日(現地時間)に開始した。
ChatGPT Enterpriseでは、ユーザー企業のビジネスデータや会話に基づいてトレーニングを行うことはなく、使用状況の学習も行わない。また、SOC 2に準拠しており、すべての会話は転送中も保存中も暗号化される。さらに、新たな管理コンソールによって、チームメンバーを容易に管理できるとともに、ドメイン検証、SSO、使用状況が提供されるので、企業への大規模な導入が可能となっている。
使用量の上限は完全に撤廃されているほか、通常のChatGPTと比較して最大2倍の高速実行を実現する。また、32kコンテキストを含み、4倍長い入力またはファイル処理ができるようになった。あわせて、これまではCode Interpreterと呼ばれていた、高度なデータ分析への無制限のアクセスも提供されるため、市場データを処理する金融アナリスト、調査結果を分析するマーケティング担当者、ETLスクリプトをデバッグするデータサイエンティストといった、技術チームと非技術チームの両方によるわずかな時間での情報分析が可能になる。さらに、新たに導入された共有チャットテンプレートを使用して共同作業を行うことで、ChatGPTを組織に合わせて調整し、共通のワークフローを構築できる。なお、価格にはAPIを使用するための無料クレジットが含まれている。
OpenAIでは、使用中のアプリケーションとの接続によって、企業のデータを使ってChatGPTの知識を安全に拡張するカスタマイズ機能、小規模チームでの使用に適したセルフサービス型のChatGPT Business、業務に最適化された高度なデータ分析とブラウジングの強化が行われたパワーツール、データアナリストやマーケティング担当者、カスタマーサポートといった特定の業務に適したソリューションなどを開発中であり、準備が整い次第順次リリースしていくという。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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