米Cloud Native Computing Foundation(CNCF)は、Kubernetes用のイベント駆動自動スケーラ「KEDA(Kubernetes Event-Driven Autoscaling)」を、CNCFの「卒業(Graduated)」プロジェクトに移行すると、8月22日(現地時間)に発表した。KEDAは、Apache License 2.0で公開しているオープンソース・ソフトウェア。
KEDAは、例えばサーバー・プログラムがメッセージを受け取るなどのイベントに応じて、自動的にコンテナをスケールアウトさせるプログラム。処理対象がなくなれば、自動的にコンテナを縮退させる。Kubernetesにもコンテナを自動的にスケールアウトさせる機能は備わっているが、プロセッサの使用率を見てスケールアウトさせる仕組みとなっているため、きめ細かい制御が難しい。
KEDAは、米Microsoftと米Red Hatが2019年に共同で開発を始め、2020年3月にCNCFのサンドボックス・プロジェクトとなった。その後、2021年8月には育成(incubating)プロジェクトに移行に移行していた。現在では米FedEX、オランダKPMG、米Redditなど45以上の企業や団体がKEDAを自社システムに採用している。
KEDAの開発チームは今後、処理性能の改善に取り組みながら、どのようなときにスケールアウトするのかを設定できるようにしたり、スケールアウトによる二酸化炭素排出量やエネルギー消費量の変化を表示する機能などを追加していくとしている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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