IPAは1月30日、DX認定制度の審査に通過した申請書をテキスト分析し、「DX認定申請書分析レポート 申請書の記述内容の分析と作成のポイント」を公開した。
DX認定制度は、デジタルによってビジネスを変革するためのビジョン・戦略・体制などが整った事業者を経済産業大臣が認定する制度。2024年1月までに、912の事業者が認定されている。また直近1年間のDX認定事業者数は、過去に比べて約1.6倍、中小企業などでは約2.3倍に増加している。
本レポートは、2022年12月から2023年9月の期間に、審査を通過した申請書456件と、不合格となった申請書327件を分析している。DX認定制度の申請書は「経営ビジョン」「DX戦略」「DX戦略の達成度を測る指標」など8つの設問からなり、自由記述形式。従って、業種や事業規模、DX推進の成熟度により、回答内容は多様である。
本調査は、申請内容の傾向を捉えるとともに、申請を検討している事業者に補助資料を提供することを目的とし、テキストマイニングの手法を用いて分析を行った。審査を通過した申請書の記載内容の特徴を可視化し、作成のポイントを示している。加えて、一般的な不備のランキングや申請書の記載例を付録としてまとめている。
レポートの構成概要は以下の通り。
- 第1章:導入とDX認定制度の説明
- 第2章:本レポートの分析の目的と対象、件数、手法の説明
- 第3章:申請書にどのような記述が多かったのか、設問毎の分析および具体例として実際の文章を示す
- 第4章:申請した企業の規模別にわけ、申請書にどのような記述が多かったのか、設問毎の分析および具体例として実際の文章を示す
- 第5章:申請が多かった代表的な業種を例に、申請書にどのような記述が多かったのか設問毎の分析および具体例として実際の文章を示す
- 第6章:まとめ
- 付録1:よくある不備のランキング
- 付録2:申請書の見本
第3章では、設問ごとに文字数や頻出単語を分析し、記述のポイントを示した。例えば、「企業経営の方向性及び情報処理技術の活用の方向性の決定」を記載する設問1では、上位10の頻出単語に「dx、お客様、社会、事業、経営、活用、デジタル、価値、企業、当社」が含まれる。また第4章と5章では、企業規模別、業種別の分析も行っている。
付録1では、審査不合格になった申請書327件において、よく見られた不備を設問ごとに分類し、集計している。例として、「企業経営の方向性及び情報処理技術の活用の方向性の決定」を記載する設問1では、「記入内容が不十分」が最も多かった。また、「自社の変革方向の説明不足」「経営ビジョンの説明不足」「デジタル技術による社会及び競争環境の変化が自社にもたらす影響について認識の説明が不足」なども挙げられた。付録2では、分析結果に基づいた、申請書の記入サンプルを提供している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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