実践者が語る、コスト削減の勘所の養い方
続いて、主催の株式会社Singular Perturbations 西谷 圭介氏による、丹氏と林氏を交えたパネルディスカッションが行われた。
「Elephantあるいは支配的なコストを、どういったアプローチで見つけていくのか」
西谷氏の問いかけに対し、丹氏も林氏も、愚直に数字を見てボトルネックを探し回る「根性」が大事だと答える。その上で、通常は安く上がるはずのサービスなのに、利用料が嵩んでいるといった違和感を感じるポイントを大事にすべきだと、丹氏は言う。その違和感を見つける嗅覚を養うには、ベストプラクティスや他社事例の研究を通して、アンチパターンをしっかり学ぶことが大切だと、林氏は付け加えた。
「コスト削減はインフラエンジニアだけの問題ではないとすると、どのようなスキルが必要になるのか」
続く西谷氏の問いかけに、林氏はアプリケーションまで含めて興味を持てる、視野の広い人材採用を心がけていると答える。例えばAuroraのコストが高い時、スロークエリなどを地道に調査して、改善案を提案してくれるSREがいる。逆にソフトウェアエンジニアも、事業成長の大切さが浸透しているので、儲けを出すために協力する体制が整っていたことを成功要因として挙げた。丹氏は、一個の上手いやり方があるわけではなく、調査力や興味を持つといったソフトスキルが重要だと付け加えた。
最後にインフラコスト削減に取り組むエンジニアに向けて、2人は以下のようなメッセージを送り、セッションを終えた。
丹氏「コスト削減は結果が見えるので、実際やってみると、とても楽しい仕事です。面倒くさがらずに楽しんでやりましょう」
林氏「CTOなどリーダーが覚悟を持って旗振りするのが大事ですが、開発組織がメンバー同士でしっかりコミュニケーションを取れることが前提です。まずは良い組織を作りましょう」
セッション全体を通して「覚悟」「根性」「お祭りムード」といった、力強いキーワードが続いた。クラウドのコスト削減には、エンジニアリングだけでなく、文化の重要性も欠かせないというメッセージが伝わってきた。AWSだけでなく、Azure、Google Cloudといった他のクラウドでも参考になる考え方ではないだろうか。
