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【Android Studioアップデート解説】ABCシリーズの新機能まとめ

Android StudioのABCシリーズの新機能を解説! インスペクタ・プロファイラに関する新機能とは?

【Android Studioアップデート解説】ABCシリーズの新機能まとめ 第2回

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 Android Studio Arctic Foxがリリースされたのが、2021年7月です。このリリースをもってAndroid Studioのバージョン番号の付け方が変更され、俗にABCシリーズと言われるようになりました。このABCシリーズの最新バージョンであるHedgehogがリリースされたのが、2023年11月です。本連載では、第1回と第2回の2回にわたって、Arctic FoxからHedgehogまでの間にAndroid Studioに追加された新機能に関して、バージョン横断でテーマごとに紹介していきます。第2回である今回は、新しいインスペクタとプロファイラを解説します。

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新しいレイアウトインスペクタ

 前回紹介した新機能に続いて、次に紹介するのは新機能リストの4のレイアウトインスペクタに関する新機能の紹介です。

レイアウトインスペクタツールウィンドウ

 レイアウトインスペクタというのは、Android Studioのバージョン3.0で導入された機能であり、現在のプロジェクトの画面が、起動中の端末でどのような表示になるのかを詳細に確認できる機能です。その後、さまざまな機能強化が図られており、Hedgehogでは、図1のような画面となっています。この画面は、Android Studioの右下にある[Layout Inspector]を選択することで表示されるツールウィンドウです。

図1:レイアウトインスペクタツールウィンドウ
図1:レイアウトインスペクタツールウィンドウ

 このツールウィンドウを表示させるだけで、現在実行中の画面で使用されている画面部品の階層構造やその属性などを確認することが可能となります。実は、このツールウィンドウが表示されるだけで、即時に現在実行中のアプリとレイアウトインスペクタが接続されるようになったのは、Flamingoになってからです。

レイアウトインスペクタのRunning Devicesへの統合

 このようなレイアウトインスペクタは、ひとつの独立したツールウィンドウとして表示されるものです。これが、Hedgehogでは、Running Devicesへの統合が行われています。ただし、この機能は、まだ実験段階であり、利用するには、設定画面より

 [Experimental] > [Layout Inspector]

で表示される[Enable embedded Layout Inspector]のチェックボックスにチェックを入れ、Android Studioを再起動する必要があります。すると、Running Devicesツールウィンドウ右上にアイコンが表示されるようになります。これをクリックすると、Running Devicesツールウィンドウが図2の画面へと変化し、確かに、レイアウトインスペクタが利用できるのがわかります。

図2:Running Devicesに統合されたレイアウトインスペクタ
図2:Running Devicesに統合されたレイアウトインスペクタ

 ただし、この機能は実験段階ゆえの制約があり、3Dモードとスナップショット機能が利用できません。

レイアウトインスペクタの3Dモード

 レイアウトインスペクタの3Dモードは、バージョン4.0で導入された機能なので、すでに利用している方もおられるでしょう。レイアウトインスペクタのレイアウト画面のアイコンをクリックすることで、現在の画面部品の階層構造を図3のように3D表示してくれる機能です。3Dモードを元に戻す場合は、アイコンが表示されていた部分がアイコンに変化するので、それをクリックします。

図3:レイアウトインスペクタの3Dモード
図3:レイアウトインスペクタの3Dモード

 この3Dモードは、Running Devicesでのレイアウトインスペクタでは、現段階ではまだ利用できないので、注意してください。

レイアウトインスペクタのスナップショット機能

 同じく、Running Devicesでのレイアウトインスペクタで利用できない機能として、スナップショットがあります。この機能は、Bumblebeeで導入された機能であり、現在表示されている画面状態をファイルに残せる機能です。これには、入力値や表示内容すべてが含まれます。例えば、図1の入力画面に入力値を入れ、その後、レイアウトインスペクタのアイコンをクリックして表示されるメニューから[Export Snapshot]を選択します。すると、ファイルのダウンロード先を選択する画面が表示されるので、適切な場所を選択すると、.liファイルが生成されます。

 その後、この.liファイルをAndroid Studioで読み込むと、図4の画面となります。ファイルの読み込みは、単に[File]メニューから[Open]を選択してもよいですし、先のアイコンをクリックして表示されるメニューから[Import Snapshot]を選択してもよいです。

図4:スナップショット(.li)ファイルを読み込んだ画面
図4:スナップショット(.li)ファイルを読み込んだ画面

 この画面を見てもわかるように、.liファイルは、入力値や表示内容を含めて、レイアウトインスペクタのその時の状態をそのまま保存したファイルとなっています。まさにスナップショットです。このファイルを、例えば開発者間で共有したり、保存しておいてのちに参照したりすることで、画面表示のデバッグに利用できます。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 齊藤 新三(サイトウ シンゾウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。Web系製作会社のシステム部門、SI会社を経てフリーランスとして独立。屋号はSarva(サルヴァ)。HAL大阪の非常勤講師を兼務。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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