スプリックスは、同社の運営するプログラミング総合研究所が、全国の教員・学校関係者を対象に実施した、「情報I」科目に関するアンケート調査の結果を、4月4日に発表した。同調査は、2月20日~3月8日の期間に行われ、462名から有効回答を得ている。
本記事は、EdTechZineニュースからの転載です(元記事)。
調査対象者に、2025年の共通テストから導入される「情報I」について、不安を感じているかを尋ねたところ、「とても感じている」「感じている」「少し感じている」を合わせた割合が8割超に達している。
共通テストへの「情報I」導入に不安を感じる理由としては、生徒の理解度や指導時間の不足を挙げる回答が多い。とりわけ、共通テストのレベルに対して、現状の生徒の理解度が追い付いているかがわからないという回答が53.6%に達している。
自身が勤務する学校において、「情報I」を学ぶ環境が整っているかを尋ねた質問では、「あまり整っていない」と「まったく整っていない」を合わせた割合が35.2%に達した。
「情報I」を学ぶ環境が「整っていない」と思う理由としては、生徒が自学に活用できるようなアプリやソフトウェアを導入できていないことや、教員不足によって専門免許を持っていない教員が臨時で対応していることなどを挙げる回答が目立っている。
共通テストへの「情報I」導入に向けて、実施している対策を尋ねたところ、「実習形式での授業の実施」(52.2%)がもっとも多い。「現状具体的な対策を行えていない(今後行う予定)」という回答は32.3%となった。
今後の対策として、導入を希望するものとしては、「生徒が自学時に活用できるアプリやソフトウェアの導入」(57.5%)、「授業で活用できるアプリやソフトウェアの導入」(55.9%)が上位となっている。また、共通テストへの「情報I」導入に対する不安として多く寄せられた「共通テストのレベルに生徒の理解度が追い付いているかわからない」という回答とも関連して、「生徒のレベルを全国規模で測れるテストの活用」の導入を希望する回答も4割超に達した。
共通テストへの「情報I」導入について、不安に思っているという回答をエリア別でみると、北関東エリア(茨城・栃木・群馬)が93.6%で最多となり、以下中国エリア(鳥取、島根、岡山、広島、山口)の90.3%、首都圏エリア(東京・神奈川・千葉・埼玉)の89.4%が続いている。一方、もっとも低かった四国エリア(徳島、香川、愛媛、高知)でも約8割に達した。
「情報I」を学ぶ環境が整っていないとする回答をエリア別でみると、こちらも北関東エリア(59.4%)がもっとも多く、唯一6割近くとなっている。「情報I」を学ぶ環境が整っていない理由としては、「教員不足」が47.4%に達したほか、「基本は座学中心の授業である」「授業や自学に活用できるアプリ、ソフトウェアを導入していない」といった、学びの環境やコンテンツを理由として挙げた回答が36.8%を占めた。
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