Linux Foundation Researchは5月27日、「2024年日本の技術系人材の現状レポート – 日本の技術セクターにおける人材戦略とモダナイゼーションの取り組みに関する調査結果」を公開した。
本調査は、IT分野におけるグローバルな人材マネジメントの状況を把握するため、2023年12月から2024年2月にかけて実施された。日本で働く80名を含む、世界418名から回答を得ている。
調査結果によれば、日本は著しい技術者不足に直面しており、賃金構造や高齢化によって この状況は2030年までに悪化すると予測されている。政府のDXへの取り組みや中途採用へのシフトが、従来の雇用慣行からの脱却の鍵とされている。
また、日本のIT環境にはレガシーなメインフレームが根強く残っており、ITワークロードの平均45%がメインフレームテクノロジーで稼働していることが明らかになった。クラウドテクノロジーの導入と並行し、レガシーシステムを活用したモダナイゼーションの取り組みも課題となっている。調査によると、クラウド導入や生成AIによるテクノロジースタックのモダナイゼーションに取り組んでいる組織の割合は、97%であった。
一方で、日本はタレントマネジメント戦略においてはリードしており、「経験の浅いプロフェッショナルを雇用・育成している(55%)」「技術的な人材ニーズに対応するために既存のスタッフをクロススキリングしている(51%)」となった。特に企業内の研修プログラムは、日本のタレントマネジメント戦略の基幹を形成している。しかし、改善の余地もあり、回答者の44%が、複雑な職務に向けた研修の長さや効果の低さを懸念していた。今後1年半の間に、日本の企業の60%が研修への投資を増やす予定と回答した。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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