mablおだしょー氏が取り組む「ソフトウェアテストの自動化」の啓蒙活動
誰もが安心・安全に、そして意図したとおりにソフトウェアやアプリを利用できるかを事前に検証するソフトウェアテスト。ソフトウェアの品質を左右する工程であり、その範囲はユーザーインターフェイスやAPIの動作テスト、バグ検出、負荷テスト、モバイルアプリの動作確認に加え、障がいの有無に関わらず利用しやすいかを確認するアクセシビリティ検証など多岐にわたっている。さらに昨今は、機能単位でプログラムの設計・実装・テストを繰り返すアジャイル開発が広まっており、テスト工数も膨大なものになっている。
そんな様々なソフトウェア・テストに対応し、テスト自動化を支援するクラウドサービスが「mabl(メイブル)」だ。提供元である米mabl社でクオリティアドボケイト/プロダクトマーケティングを務める小田祥平(おだしょー)氏は、国内開発プロジェクトにおけるテスト工程の課題を次のように指摘する。
「開発工程においてテスト工数は年々膨れ上がっています。しかし国内では、要件定義から設計、開発、テストまで順を追って進めるウォーターフォール型開発を取り入れているプロジェクトも依然多く、テスト工程を担うQA(Quality Assurance:品質保証)エンジニアに膨大な負荷がかかっています。肝心のテスト作業も手作業のため非効率さが目立ちます」
おだしょー氏はmablにおいて、QAエンジニアやツール導入意思決定者に向けてテスト自動化を訴求する啓蒙活動を担っている。
「より良いソフトウェア開発という本来の目的を遂行するために、自動化できるところは自動化して効率を高めることが大切です」
リアルな会話でエンジニアの関心を喚起できるのがオフラインイベントの醍醐味
おだしょー氏が熱心にテスト自動化を訴求するのは理由がある。mablの調査によると、テスト自動化に関心があるエンジニアのうち、「いまだに手動テストから脱し切れていない」とするエンジニアが6割にも上るからだ。
「そうした方々にイベントでmablのデモを紹介すると、具体的かつ的確な質問をいただくことが多いんです。そこで私が回答する形でデモを展開することで、リアリティあるコミュニケーションが生まれます。これがリアルイベントの醍醐味だと考えています」
オンラインのイベントやコンテンツは、物理的な居場所や人数の制約を超え、大量で幅広いリーチを取るのには適切だ。一方でオフラインイベントは、直接リーチできる範囲に限界はあるものの、参加者とのリアルコミュニケーションでテーマを深掘りできるので、より強く関心を持ってもらえたり、エンジニアの課題やニーズを把握できたり、伝えたい内容がしっかり伝わっているかフィードバックを受けたりできるというメリットがある。
「ノベルティでサービスや自社に関心を持ってもらうこともあります。そこで記憶に残れれば、テスト工程で困った時に想起してもらうきっかけにつながるでしょう。そのきっかけを能動的に作れるのが、オフラインイベントならではの魅力です」
技術者/意思決定者が多く、新規や未参加のターゲットにもリーチできるデブサミ
そんなおだしょー氏が「イベント前からイベント後のフォローまで、一気通貫で安心してお任せできます」と評価するのが「Developers Summit」、通称「デブサミ」だ。
デブサミは21年の歴史がある日本最大級のソフトウェア開発者向けイベント。mablは2024年2月に開催された「Developers Summit 2024」で協賛スポンサーとなり、セッション登壇・ブース設営・開発者向けメディア「CodeZine」へのセッションレポート掲載の3つのメニューを実施した。
おだしょー氏が協賛を決めた理由は五つある。
第一に、メインターゲットであるQAエンジニアと意思決定者の参加が多いこと。デブサミにはエンジニアだけでなく、ツール導入の決裁権を持つ意思決定者も一定割合以上参加しているからだ。
第二に、新規参加者の割合が多いので、新規層を開拓できること。
第三に、翔泳社の担当者が運営上の相談に柔軟に対応してくれること。mablの日本拠点は5〜6人と少人数で、イベント運営の人手が足りないという悩みがある。デブサミはそうした悩みにも対応してくれる頼もしさがあるという。
第四が会場のユニークさだ。「目黒雅叙園や羽田空港に直結したイベントホールなど目新しいところなので、『行ってみたい』という動機付けとなる」と話す。
そして最後に挙げたのが、会場設計に見られるほど良い距離感だ。大上段に構え過ぎないセッションと、立ち寄りやすい距離感のブースで、興味を持って訪ねてきたエンジニアとのコミュニケーションも活発化するという。
イベント効果の最大化に向けては両社で取り組んだ。フォロワーの多いおだしょー氏はXでデブサミ登壇を告知。翔泳社の公式アカウントからもそのポストを拡散するというサポートがあった。
セッションでおだしょー氏はmablのユーザー企業を招き、参加しているエンジニアに自分ごととして捉えてもらえるようにアプローチ。後日CodeZineで公開されたセッションレポートは、会場にいながら参加できなかったエンジニアや、デブサミに行けなかったエンジニアにメッセージを伝えられるツールとなった。
「参加したエンジニアの方も、事後のレポート記事があればチームリーダーやプロジェクトリーダーに内容を伝えやすくなります。私自身、本社への活動レポートとしてこの記事のURLを伝えるなど、何重にも役立ちました」とおだしょー氏は話す。得られたリードの質、数ともに充実していたと評価、参加したエンジニアのSNS発信などが拡散され、mablへの認知度や注目度が向上するなどの波及効果も上々だったという。
今後はエンタープライズ企業への訴求を強化したい
mablの事業成長に向け、おだしょー氏は今後エンタープライズ企業へのアプローチにも注力していく予定だという。そうした方向に向け、デブサミ・翔泳社にどんなことを期待しているのだろうか。
「先ほどもお話ししましたが、デブサミは現場エンジニアと意思決定者の方の参加が多いという特長があります。それを踏まえ、今後より大きい事業規模の企業へアプローチしていく際の手段をともに考えていただき、実行していくことを期待しています」
Developers Summit(デブサミ)について詳しく知る
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