はじめに
2023年9月28日に一般提供されたBedrockは、さまざまなAIモデルを手軽に利用できる、AWSの生成系AIの代表的なサービスです。
直近でも、利用モデルの拡張やセキュリティレベル向上のためのアップデートも行われており、利活用の幅が広がっています。ユーザによる利活用も活発になり、AWSの公式ブログでも活用事例が多く紹介されており、今注目のサービスであると言えます。
本記事では、Bedrockの最新アップデートについて紹介します。
Bedrockの概要
Bedrockの概要については、一般提供を開始した時点で第16回の記事に記載しておりますので、そちらをご参照ください。
プロンプトの管理が便利に! Prompt Managementがプレビューへ
Prompt Managementという機能がプレビューとして利用可能になったという発表がありました。
Prompt Managementは、その名の通りAIに入力するプロンプトを管理する機能です。この機能により、ユーザ側がプロンプトを開発、管理を効率的に行うことができます。
本記事では、3つのメリットを紹介します。
プロンプトの再利用が簡単に! 変数化により柔軟なテンプレートを作成可能
生成系AIから期待した結果を得るためには、効果的なプロンプトを設計する必要があります。効果的なプロンプトには、結果を出力するための条件を指定したり、出力形式の指定が含まれることが多いです。
Prompt Manamgentでは、こういったプロンプトをテンプレート化することで、プロンプトの再利用が可能になります。
また、再利用に加えて、一部のプロンプトを変数化することができます。変数を利用することで、ユーザ側が必要最小限の変数を与えて、柔軟なプロンプトを作成することが可能です。
Prompt ManagementのPrompt builderという画面で、ユーザはプロンプトの設計、変数定義、テストを実行できます。
変数の定義は、{{Thema1}}
、{{Thema2}}
といったように定義し、ユーザ側はその変数を入力することで、AIが変数を置換して結果を出力します。これにより、変数部分を含めてテンプレート化することができ、プロンプトの再利用が容易になりました。
適切なモデル・パラメータの選定に役立つ! 比較機能が追加
生成系AIでは、モデルに応じてAIの出力が異なるため、利用用途に適したモデルの選定が必要です。今回のアップデートで、Prompt builderの画面から、「Compare variants」を選択することで、モデルの比較ができるようになりました。
上記は、「Claude 3 Haiku」と「Claude 3.5 Sonnet」の2つのモデルを選択しています。2つのモデルを比較しながら出力を比べることで、モデルによる出力の違いを確認することができます。
また、モデルに与えるパラメータも変更することができるため、同一モデルで異なるパラメータを設定し、結果を比較することもできます。
最適なモデル、パラメータを選定するために役立ちそうです。
プロンプトのバージョン管理が可能に
Prompt Builderで設計したプロンプトを保存し、バージョンとして管理することが可能です。バージョン管理により、過去利用していたバージョンに戻すことも容易になりました。
具体的な仕様についてはAWSの公式ドキュメントを参照ください。