ギブリーは、日産自動車が7月16日に社内向けとして実施したDX推進イベント「Automation Day4」に企画・協力として参加し、ギブリー取締役である山川雄志氏が生成AIに関する講演を行ったことを、10月2日に発表した。
「Automation Day」は、日産自動車が従業員のデジタルツールに対する認識と活用を促進するために実施している社内向けDXイベントで、最新デジタルツールのトレンドや機能、社内外での活用事例が共有される。
日産自動車では、デジタルツールの社内浸透までの過程を3つのフェーズに分けて、それぞれのフェーズごとに数値を評価している。
1つ目のフェーズは、ツールの認識・認知の段階となる「Awareness」で、「聞いたことはあるが、あまり知らない」と回答した従業員が該当する。
2つ目のフェースは、ツールへの理解・関心の段階となる「Familiarity」で、「ある程度知っているが、使用したことはない」と回答した従業員が含まれる。
3つ目のフェーズは、ツールの使用経験や現在の使用状況を包括する段階となる「Use」で、「使用したことはあるが、今は使っていない」という過去の使用経験者と、「使用している」という現在の継続使用者の両方が当てはまる。
これまで実施してきた「Automation Day」をはじめとする社内周知活動を通じて、それぞれのデジタルツールへの認知度は大幅に改善していることから、今回実施された「Automation Day4」では、
- 「Nissan AI-Chat」、ローコード/ノーコードツール、RPAの「Familiarity」を10%以上向上させる
- 各セッションの満足度90%以上を達成する
といったポイントが重要指標として設定され、それぞれのセッションが企画されたという。
ギブリーは、「Nissan AI-Chat」プロジェクトにおいて日産自動車における生成AIの活用促進に携わっており、2023年11月に実施された「Automation Day2」では、「プロンプトエンジニアリング教育」をテーマに「Nissan AI-Chat」基礎講座を実施した。同講座は、3000名以上の社員が視聴し好評を博している。
同社はこれ以降も、「Automation Day」各回の生成AIセッションをサポートするとともに、選抜教育(プロンプトトレーニングワークショップ)も実施し、2023年11月から全5回にわたって行ったワークショップでは、業務に特化した30個以上のプロンプト開発をサポートし、これらはテンプレートとして日産自動車社内における実際の業務に活用されているという。
「Automation Day4」におけるギブリーの講演では、最新のAI活用事例に加えて自動車業界の動向分析も盛り込み、「社員が生成AIの活用に前向きになるきっかけを作る」という目標を念頭に、「各企業の取り組み」と「何の業務にどう使うか、具体的な使い方例」を取り上げて、わかりやすさと専門性のバランスに配慮した。
同講演の満足度は96%に達し、参加者からは「他社事例との比較ができてよかった。今後社内でさらにNissan AI-Chat活用が推進されると、業務効率化が進むと思う」といったコメントが寄せられている。
「Nissan AI-Chat」については、「Automation Day」など継続的な周知活動によって、2023年11月〜2024年7月の期間で月次アクティブユーザー比率30%超を達成した。現在では、対象社員の3名に1名が「Nissan AI-Chat」を活用している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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