IDC Japanが国内プライベートクラウド市場予測を発表。2023年度の市場規模は2兆533億円

　IDC Japanは、国内プライベートクラウド市場予測を10月7日に発表している。

　同予測によれば、2023年における国内のプライベートクラウド市場は、前年比27.3％増の2兆533億円（支出額ベース）となった。また、同市場の2023年〜2028年における年間平均成長率（CAGR：Compound Annual Growth Rate）は15.4％で推移し、2028年の市場規模は2023年と比較して約2倍の4兆2126億円になると予測している。

　2023年の国内プライベートクラウド市場では、従来型ITで構築された既存システムのクラウド環境への移行（クラウドマイグレーション）が拡大したほか、プライベートクラウド環境の更新需要が顕在化し、成長を下支えした。

　2024年以降の国内プライベートクラウド市場は、クラウドマイグレーションとDX／データ駆動型ビジネスとしての導入／利用が両輪となって、高い成長を継続する。さらに、製品／サービスの単価における上昇傾向の継続が、成長を底上げしている。

　国内市場においては、過去資産（ソフトウェア、ITスキル）の継承性、運用管理性、専用環境といった特徴が評価され、プライベートクラウドの導入が進んできた。一方、パブリッククラウドは拡張性や先駆的な機能性に高い関心が集まっている。プライベートクラウドも過去資産の継承性ではなく、最新のテクノロジを任意の場所で稼働させる環境（配備モデル）の1つとしての認識が高まりつつある。

　とりわけ、生成AIの発展がその意識を高めており、今後の生成AIは機密情報を扱うようになり、低遅延も求められることから、プライベートクラウドでの稼働増加が見込まれる。これは、ソブリンクラウドにも大きな影響を与え、デジタル主権への対応だけではなく新たなテクノロジへの活用が重要になるとともに、ハイブリッドクラウドとして発展していく。

　そのほか、生成AI（特に推論）の稼働環境としてエッジコンピューティングも著しく発展しており、ワークロードや用途によってプライベートクラウドやエッジコンピューティングが利用されるようになると予測している。