生成AI活用は4つに分類できる
ChatGPTの登場からはや2年が経つ。生成AIが日々のタスクを(特に些細な雑事を)どれほど効率化してくれるかは、すでに皆さんも体感済みのことだろう。例えば、データ収集、スケジュール調整、簡単な資料やドキュメントの作成など、開発者が本来時間を使うべきではない作業には欠かせない存在になっている方も多いはずだ。
一方で業務中に、こうした雑多なタスクをすべて生成AIに任せている方は少ないのではなかろうか。場合によっては社内の機密性の高いデータにアクセスする必要も出てくる。オープンソースの生成AIを利用するのは、セキュリティや個人情報の観点から不安だ。
このジレンマを克服し、生成AIを社内で活用するにはどうすればよいだろうか。「社内で生成AIを活用するうえで、セキュリティとプライバシーが第一であることは言わずもがな。加えてAIサービスがセキュアにデータにアクセスし、ドメイン固有の知識を理解したものになっていることが大事」と提言するのが「デプロイ王子」こと廣瀬 一海氏だ。
例えば、生成AIの活用事例としてよく耳にする顧客からの問い合わせ対応。メール、チャットボット、電話といった形式もバラバラなうえ、人間が直接対応する必要もあるため何かと苦労の多いタスクだ。ここに生成AIを活用して生産性を上げるには、個人情報を含むさまざまなケースのデータに安全にアクセス・統合する必要がある。
このようなケースは一例に過ぎないが、基本は同じ。加えて廣瀬氏は「業界に関係なく、業務における生成AIの活用は4つの分類が可能」だという。
社内への生成AI導入を考えるうえでまず注目すべきは、「生成」「抽出」「変換」の3分野だと廣瀬氏は言う。これらは導入の初期段階で実現可能であり、比較的短期間で成果を上げることができる。一方で、「原因の特定と対処」は複数のデータソースを統合する高度なプロジェクトとなり、長期的な視点で取り組むべき領域となる。特殊な社内用語を理解させる必要も出てくる。