インフルエンサーマーケティングを支えるエンジニアとそのキャリア
──自己紹介をお願いします。
髙瀬:toridori開発部を拡大するため、エンジニアの採用を担当しています。そのほかにも組織的な文化や仕組みづくりなどにも携わっています。
toridoriには、モバイルアプリのエンジニアとして入社しました。約2年間アプリ開発に従事した後、メンバーとの1on1を任されるようになり、人の成長を支援することの面白さに気づきました。1年ぐらい経ったところで、人事評価にも携わるようになり、それをきっかけにエンジニア採用を担当するようになりました。
池田:現在はエンジニアリングマネージャーとして、進捗管理や期待値調整など主にプロジェクトマネジメント業に従事しています。キャリアのスタートは営業職でしたが、その後は、バックエンドエンジニアにキャリアチェンジしました。1年働いた後、4年前にバックエンドエンジニアとしてtoridoriに入社しました。
マネージャーになるきっかけは、技術そのものへの興味より、メンバーが適材適所に配置されているかなど、人に対する興味が高まったことです。そのタイミングで、エンジニアリングマネージャーになってみないかという打診をもらいました。
──toridoriの事業について教えてください。
髙瀬:toridoriでは、インフルエンサーマーケティング事業を運営しています。SNSマーケティングの業界は、広告代理店がお客さまから要望を受け取り、インフルエンサーをアサインするというようなアナログ的な手法が一般的です。toridoriではプロダクトやプラットフォームでの課題解決を提供しているところが、他社との違いです。
toridori代表の中山は元ブロガー、今でいうインフルエンサー出身の人間です。
そのため、インフルエンサーマーケティングに関するノウハウがあったことに加え、「インフルエンサーのような個性を持つ人々が活躍する時代をサポートしたい」と思い、立ち上げた会社です。インフルエンサーの活躍できる場所を作り、その力をより活用できるようにしていきたいという思いが、toridoriのビジネスの根っこにある。そこも他社との違いだと思います。
開発部が作っているのは、インフルエンサーと広告主の最適なマッチングを可能にするためのプロダクトを2つのサービスとして提供するプラットフォームサービスです。広告主専用のサービス『toridori marketing(トリドリマーケティング)』とインフルエンサー専用の案件探しアプリ『toridori base(トリドリベース)』はその代表例です。どちらも自社サービスです。

──事業規模の拡大に伴い2024年11月に新潟を拠点とした事業を開始しましたが、どのようなことを行っておりますか?
池田:新潟支社では、広告主が掲載する情報が適切かどうかの審査業務を主に担当しています。
髙瀬:先述したとおり、インフルエンサーマーケティングはまだまだ未熟な業界です。
そのため騙し騙されということも起こりうる可能性があります。
例えば、フォロワーを購入しフォロワー数を水増しして実態より人気のあるインフルエンサー然としていたり、実際の商品と乖離のある説明をしていたり。toridoriがプラットフォームサービスを打ち出しているのも、少しでも透明性の高い状態でPRが出来るようにして、そのような市場課題を解消するためですが、すべてを自動化することは難しいのも事実です。そのためtoridoriには審査専門の部署があります。
池田:審査はそういうネガティブな部分をチェックするだけではなく、より大きな効果を出すPRを打ち出すためのものでもあります。例えば画像をもっと魅力的なものに変える、ハッシュタグの設定など人間の感性に頼る部分についてもチェックし、提案しています。
現在、新潟支社にいるのはプロダクトマネージャーのみですが、できるところから徐々に自動化を進めています。新潟支社のエンジニアには、オペレーションに関わる業務を実施するためのWebサービスの開発、および改修を行い、審査業務も任せていく予定です。
エンジニアリングマネージャーの役割と求められるスキルとは?
──新たにエンジニアリングマネージャーというポジションを作られたと聞きました。その経緯について教えてください。
髙瀬:仕事としては存在していたのですが、改めてそういうポジションを言語化したというのが実情です。これまでも池田はエンジニアという立場ながら、プロジェクトマネジメントやメンバーの期待値調整に加え、チームビルディングにも携わっていました。
もともとtoridoriには役職がエンジニアかCTOの2種類しかなく、マネジメントの仕事の評価に頭を悩ませていました。組織や事業の拡大に伴い、開発組織のバランスを考え、新ポジションを設立し、池田にエンジニアリングマネージャーという役職に就いてもらうことにしました。2025年度には、テックリードという役職も増やす予定です。
──池田さんがtoridori初のエンジニアリングマネージャーに抜擢された理由を教えてください。その際、池田さんはどのような心境でしたか。
髙瀬:会社の利益から見た自分やメンバー、現場の仕事ぶりをきちんと見ているところです。現時点ですでにそのような俯瞰的な視点を持っていることから、マネージャーに向いてそうだなと思いました。
池田:会社の利益を意識するのは、もともと自分が営業をやっていたことが影響しているのかもしれません。営業時代は数値目標があり、それを達成するために動いていました。また、マネジメント層からどう見られているんだろうと、常に意識して働いていました。
営業からエンジニアに転身したときよりも、乗り越えるギャップが小さいので、エンジニアリングマネージャーに抜擢された時に不安はありませんでした。加えて、エンジニアとして手を動かしながらも、全体を見る癖は付いていたのでスムーズに就くことができました。
──エンジニアリングマネージャーの業務内容などを教えてください。
池田:現在はエンジニアリングマネージャーとして、チームの生産性とプロジェクトの進捗管理を担当しています。
私たちは開発手法としてスクラムを採用しています。私たちのチームでは1スプリントを1週間で回しています。1週間ごとにチームでスプリント計画を立て、最後に振り返りを行い、次のスプリントへと移っていくのですが、1スプリントの開発内容について、メンバーとすり合わせながら調整をしていくのが私の役割です。
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髙瀬:toridoriがスクラムを取り入れたのは2年前です。それまでは、依頼があってからできるだけ早く開発に取り組んでおり、実装を完了させることがゴールになっており、成果もよく分からないまま次の開発に携わっていました。エンジニアにとって負担が大きく、急げば急ぐほど苦しくなる。解消しなければと思っていたときに、当時の外部顧問がスクラムマスターの資格を持っていたことを知り、スクラムを導入することにしました。
エンジニアリングマネージャーとしてのやりがいとは?
──マネジメントに従事している中で、最もやりがいを感じる瞬間について教えてください。
池田:自分がプレイヤーとして担当していた業務の一部を、メンバーが自ら手を挙げておこなってくれたときですね。マネージャーになったからには、プレイヤーとして担当していた業務をどんどん手放し、違うレイヤーの仕事をしていく必要があると思います。なので、メンバーが自ら対応してくれるということは、仕事の振り方がうまくなったとも言えるかもしれません。
開発はやはり楽しいので、ついつい自分が頑張ればいいやと思ってしまうこともあります。ですが、その業務を敢えてメンバーに任せるようにしています。そういう意味では、マネージャーには、メンバーを信頼する力も必要だと思います。
髙瀬:マネージャーという役割を担う上で、一番の課題が仕事をいかにメンバーに振れるかだと思うんです。toridoriの開発組織の仕組みはまだ発展途上で、どうしてもできる人に仕事が集まりがちです。そこで仕事が偏らないよう基準やルールを定めようと取り組んでいます。
──エンジニアからマネジメントに転向するに当たって、一番大事なスキルとは何でしょうか?
池田:適切に課題設定ができることや解決すべき問題が特定できることが大事なスキルだと思います。マネージャーが方向性を間違えると、チームにマイナスの影響を与えてしまうことにもなりかねません。私自身、そこがうまくできているかどうか、日々考えながら仕事しています。
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髙瀬:そういう視野の広さはエンジニアリングマネージャーには欠かせないスキルだと思います。例えば自分のチームやメンバーが他者からどう見られているかを気にする。そういう人はマネージャーに向いていると思います。
もちろん、技術力は必要ですが、例えばtoridoriであれば、モバイルやバックエンド、フロントエンドのすべての技術を詳しく知っておくことは不可能です。いずれかの一つ、詳しい知識があるシニア相当のエンジニアなら十分なのではないかと思います。
一つ詳しい技術があれば、他の領域の開発者との共通する部分が見えるので、それをきっかけにコミュニケーションが取れると思うからです。
──今後、エンジニアリングマネージャーとしてどのようなことに注力して取り組んでいこうと思っていますか?
池田:採用とカルチャー作りですね。
髙瀬:組織を大きくするためにも、エンジニアリングマネージャーは今後も採用していきたいと考えています。そのために欠かせないのが文化やカルチャーづくりです。toridoriでは年齢を気にしない文化が浸透しています。
池田:toridoriの年齢を気にしない文化とは、年齢や上下関係を気にすることなく、言い合えるフラットさが誰もにある、ということです。それはポジションにおいても同様で、実力主義。例えば20歳のエンジニアがチームリードになることもあります。
髙瀬:会社としても実力主義の評価精度を目指しているので、体現できていると思います。
入社年度に関係なく、良い文化はどんどん取り入れようと思うので、カルチャーは半年か1年に1回は変わっていくと思います。ですが、年齢や上下関係を気にすることがないフラットな空気は、良い文化なのでこれからも変わらないと思います。
2025年度からはゼロから1を生み出す新しい開発が増えていく予定です。フロントエンド、バックエンド、モバイルというように専門性に応じてやることを分けてしまうと、リソースの最適化が難しくなります。そこで開発者が柔軟に動けるような仕組みを作っていきたいと考えています。その一つの試みとして、フロントエンドとバックエンドの開発はTypeScriptに統一していく予定です。
現在のtoridoriの主力事業は『toridori marketing/toridori base(トリドリマーケティング/トリドリベース)』(インフルエンサーに対してPR投稿を簡単に依頼できる企業向けのサービス)という2つのプロダクトから成るマッチングプラットフォームサービスです。これらはマーケティングにおける認知フェーズに向けたプロダクトという位置づけですが、今後は『toridori ad(トリドリアド)』(インフルエンサー専門の成果報酬型広告)をはじめとする購買促進フェーズのプロダクトや、異なる業種への認知フェーズのプロダクトなど、これまでの一つ隣にある課題解決に取り組む予定です。
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──社内でのコミュニケーションやチームの動き方において、特に重視している点はありますか?
髙瀬:例えば何か問題が起こった際に、当事者間で解決して終わりではなく、次に他の人が同じような問題が起こらないよう事前に回避できる仕組みについて考える姿勢を大事にしています。
toridoriは設立されてからまだ10年未満の会社です。課題を解決しても次々と新しい課題が出てきます。そのためベンチャー好きな人が向いていると思います。また諦めず努力する人や巻き込む努力をしてくれる人も向いていると思います。
池田:広告側からするとニッチな商品が、インフルエンサーマーケティングの力によって売れるようになります。そういう素敵な現場に携われることは、魅力的だと思います。
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バックエンドエンジニアに加え、toridoriでは新潟支社のQAエンジニアやプロダクトデザイナーを募集しています。本記事で興味を持たれた方はぜひtoridori採用サイトからご応募ください