トラブルシュート機能の実装
AWSでシステムを運用する上で、クラウドサービスのトラブルシュートは必要不可欠な作業です。今回のアップデートで、Amazon Qが各種メトリクスやログ、イベント情報をもとに、AWS環境上の問題を調査し、問題を解決するためのサポートをしてくれるようになりました。
本機能は、以下3パターンで利用可能です。
- AWSコンソールから調査を開始する。
- Amazon Q Developerにチャットで問い合わせして調査を開始する。
- CloudWatchアラームのアラートをトリガーに自動で調査を開始する。
今回は、AWSコンソールにログインし、本機能のウォークスルーを体験してみました。
CloudWatchの画面に遷移し、左側ペインの「AIオペレーション」欄から本機能へアクセス可能です。以下が調査画面のサンプルであり、大きく分けると2つのセクションに分かれます。
青枠で囲んだFeedセクションには、調査する事象に関連する調査内容を時系列で記録できます。このセクションでは、自分だけでなく他メンバも記録を追加、閲覧できるため、発生した事象に対する調査状況を簡単に共有することができます。
赤枠で囲んだSuggestionsセクションには、Amazon Q Developerからの提案が表示されています。調査に追加した方が良い情報が提案されている場合には「Accept」し、Feedセクションに情報を追加できます。
また、一部の提案には「action」が含まれています。これは、AWS Systems Manager Automationのランブックで実行可能な処理が提案されており、問題を解決するための処理実行に遷移することも可能です。
緑枠で囲んだ箇所には、サードパーティ製のチケッティングツールとの紐付けが表示されます。執筆時点では、JiraもしくはServiceNowのチケットが紐付け可能なようです。
なお、本記事の執筆時点では本機能はプレビュー段階であり、バージニア北部リージョンのみで利用可能な点はご留意ください。
調査対象のAWSサービスについて
本機能の調査対象はこちらに記載の通り、一部のAWSサービスに限られますが、コンピューティングサービス、ストレージサービスなどが対象に含まれており、主要サービスは対象に含まれているように思います。
ベストプラクティスについて
Amazon Q Developerがより正確な提案を行うための推奨設定がこちらで公開されています。EC2に対してCloudWatchAgentの最新版をインストールすることや、CloudTrailの有効化などが案内されています。
本機能を充分に活用するために必要な設定が記載されておりますので、設定を検討してください。
まとめ
今回は、Amazon Q の最新アップデートを紹介しました。Amazon Qは、開発作業の効率だけでなく、運用作業のアシスタントとしても有用です。
今回の記事で紹介した機能は全て日本語に対応しておらず、一部はプレビュー段階のサービスもありますが、今後も継続的にアップデートが進み、より有用なサービスになることを期待しています。
本記事が今後のAWS活用のお役に立てば幸いです。