現状のAI活用レベルはいかに? DevSecOpsを新たな境地へと進める「GitLab Duo」でチーム開発にAIを取り入れる方法
【14-B-6】ソフトウェア開発プロセス全体で、AIがモチベーション高く働くために必要なものは「バレンタインデーのチョコ」ではなく「GitLabによる一貫したコンテクスト」だったという話
Copilotなど生成AIの登場で、ソースコード生成の生産性は飛躍的に向上した。しかし開発者の仕事はソースコードを書くだけではない。今では多種多様なAIがいろんな場面で活用されているものの、AI時代のあらたなサイロが生まれつつある。GitLabはソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)全体を1つのプラットフォームで網羅・管理できるため、SDLC全体のコンテクストを理解したAI「GitLab Duo」を開発チームの仲間にできる。GitLab 佐々木直晴氏が解説する。
オールリモートだから生まれたコミュニケーション方法とは?
GitLabは包括的なDevSecOpsプラットフォームを展開する企業だ。プロダクトはオープンソースモデルで世界中のコントリビューターと強固なコミュニティを築いている。2011年設立、2014年法人化、2021年10月にはナスダックに上場した。特徴は、世界60ヶ国以上に2000名以上の従業員がいるにも関わらずオールリモートでオフィスを持たないことだ。
出社回帰の動きもあるなか、なぜそこまでオールリモートを徹底するのか。単に従業員の利便性や維持費といった経済的な理由だけではない。同社が理念として掲げ、またコーポレートミッションになっている「Everyone can contribute」が答えになるだろう。誰もが貢献できること。世界中のどこに住んでいても、どんなライフスタイルでも、能力と意欲があれば貢献できるようにする。
GitLab合同会社 Senior Solutions Architect 佐々木直晴氏は「いろんな制約があるなかでも“Everyone can contoribute”するためにはオールリモート。生産性や経済的な合理性とは違うレイヤーの議論なのです」と話す。
オールリモート環境下では同期コミュニケーション(リアルタイムでの対話)に制約が生じるため、非同期コミュニケーション(各自が都合の良いタイミングで行う対話)が奨励されている。この実践を効果的に支えるのが、徹底したドキュメント化によるSSOT(Single Source of Truth:信頼できる唯一の情報源)の確立だ。このSSOTが共通のコンテクストを提供するため、リモートワーク環境下であっても円滑なコラボレーションが可能となる。
またこうしたコンテクストの共有にあたっては、オンラインだけでなく必要に応じてオフラインも活用する。例えば、同社では社員同士の交流を深める活動には一定の費用を負担する「Visiting Grant」制度がある。その制度を利用して、佐々木氏は大人数が乗れる車で北海道旅行をしたそうだ。国籍も仕事も違うメンバーが1台の車内で長い時間を共有する。「そうすると話すことしかやることがなく、みんなでたくさん身の上話を共有しました。いい思い出です」と佐々木氏は笑う。
こうしたコンテクストを基盤としたコラボレーションの理念はGitLabのプロダクト設計そのものにも深く反映されている。GitLabはソフトウェア開発のために必要な機能、例えばチケット管理、リポジトリ、生産性分析、セキュリティスキャン、CI/CDなどの機能を1つのプラットフォームに統合したDevSecOpsプラットフォーム。2024年のガートナーのマジック・クワドラントではDevOpsプラットフォームでリーダーとして評価されている。
1つのプラットフォームに集約される開発関連データが、SDLC全体を通じた豊富なコンテクストを形成する。この方活的なコンテクストに基づいて、さまざまな提案をするのがGitLabのAI「GitLab Duo」だ。
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加山 恵美(カヤマ エミ)
フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net
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