生成AI活用でより深い学習を支援する「AIステップ解説」
EdTechスタートアップで教育事業者のatama plusの主力プロダクト、AI教材「atama+」は1問ごとに解答・答え合わせ・解説を行うマイクロステップラーニングを採用したデジタル教材だ。これにAIを組み合わせることで、生徒一人ひとりの得意や苦手を分析し、よりパーソナライズされた学習体験を提供するのが特長だ。すでに全国の塾や予備校で4000教室以上に導入されている。
一人ひとりに合わせた学習、という価値を多くの生徒に届けることができているが、一つの課題を抱えていた。それは“解説”で行き詰まる学生が少なからずいることだ。たとえば数学の問題の解説に利用する公式や式変形があったとき、学習者の習熟度によっては、その意味や理由が分からないこともある。
そこで前田氏たちが開発したのが「AIステップ解説」だ。
AIステップ解説は、生成AIを活用して解説文を意味のある小さな単位(チャンク)に分割して、1つずつ表示。生徒が「理解できた」と返すと次のチャンクへ進み、「理解できなかった」とした場合は理解できなかったと思われる項目を一覧表示し、該当項目を選択すると、さらにかみ砕いた解説が提示される。
「解説を分割し、さらに選択肢を設けることで、学習者が理解できていない箇所を適切に言語化できない場合でも、該当箇所を特定した上で、より詳細な解説を生成することができる」(前田氏)


2024年10月にベータ版としてリリースされた同サービスは、特別なプロモーションを行わなかったにもかかわらず、利用実績は右肩上がりに増加。利用した生徒の75%以上が「解説文の理解が深まった」と回答しており、前田氏も「破壊的とまでは言えないが、画期的なイノベーションを実現できたのではないか」と手応えを感じている。