過去をねぎらい、未来を描く
セッションの締めくくりとして、小田中氏が投げかけたのは「1年前の自分に伝えたいこと」。成長の途上にある今だからこそ見える景色を、過去の自分に向けて言葉にしてもらった。
村本氏が口にしたのは「頼りにしている前任者、近々いなくなるから覚悟しとけよ」という一言。ハードな経験に思わず笑いを交えながらも、「あのタイミングが自身の覚悟を決める大きな転機だった」と感謝を込めて振り返った。
塩谷氏は、プロダクトリリース直後の濃密な時間を思い出し、「いい経験が積めるから、頑張りなさい」と当時の自分に声をかけたいと語った。その言葉には、張り詰めた中でも前に進み続けた自分をねぎらうような、確かな自信がにじんでいた。
続いて投げかけられたのは、「1年後、どうなっていたら最高にバクアゲか?」という未来への問い。塩谷氏は、複数チーム体制への拡張と、そこで直面する組織運営の新たな課題に向き合っている自分を想像する。成長にともなう“悩み”を抱えている状態こそが、挑戦の証だと笑顔を見せた。
村本氏は、ログラスが掲げる「2年で10個の新規事業立ち上げ」という目標に触れ、その中で自分がキープレイヤーとして関わっている未来を描いた。冗談めかして「給料が5割アップしていたら最高」と笑わせながらも、本質は明確だ。非連続なチャレンジの中心に自分が立っていること──それこそが、彼にとっての「最高」なのである。
小田中氏はセッションを振り返り、「印象的だったのは、ずっと事業の話が出ていたこと」と語った。役割や立場に関係なく、2人がキャリアを語るとき、その軸には必ず「事業の成長」があった。EMであれテックリードであれ、目の前の開発やチーム運営だけでなく、事業へのコミットがそのロールを深めていくのだと、あらためて実感させられる内容だった。
最後に、塩谷氏は会場に向けてエールを贈った。
「キャリアに悩むこともあると思いますが、自分自身、そしてチームや会社の目標に立ち返ってみてください。今やれることを一つひとつ積み重ねていく。その先に、きっと未来がつながっています」
リアルな経験に裏打ちされた言葉の数々は、今まさに模索の中にいるエンジニアにとって、確かなヒントとなるはずだ。ロールモデルは遠くにあるものではない。少し先を歩く誰かの姿が、明日の一歩を照らしてくれる。
