リブセンスは、同社の運営するITエンジニアのキャリア形成支援「転職ドラフト」が、企業から年収を提示されたスカウト(指名)が届く「転職ドラフトスカウト」における、2020年〜2024年の期間のデータを分析した、ITエンジニアの転職市場に関する調査の結果を5月28日に発表した。
調査結果によれば、「転職ドラフトスカウト」におけるスカウト(指名)時の平均提示年収は、2020年1月時点が644万円だったのに対して、2024年12月時点では791万円へと大幅に上昇している。提示年収の中央値も上昇し、2020年1月時点の624万円から2024年12月時点では800万円に達した。

指名数割合を提示年収帯別でみると、800万円以上の提示年収は2020年時点の16.1%から2024年時点では41.8%と、約2.6倍に増加している。とりわけ1000万円以上の提示年収は増加が顕著で、2020年には0.7%だったが2024年には8.4%に増加した。

エンジニアのプロジェクト経験に紐づく、プログラミング言語別の平均提示年収では、C++やScalaといった習得が難しい技術に加えて、SwiftやKotlinといった需要が増加しているアプリ開発言語が上位にランクインしている。

経験したことのあるロール別の平均提示年収では、エンジニアリングマネージャの経験がもっとも高く、2024年には平均900万円に達した。また、プロダクトマネージャやエンジニア採用/人事といった、領域横断的な経験を持つエンジニアへのニーズも高まっている。

「転職ドラフトスカウト」に参加した企業のデータによれば、週0日出社の企業の割合は2021年12月時点の60.1%から、2025年5月時点では53.1%に減少した。しかしながら、依然として半数超の企業が週0日出社を採用しており、リモートワークの定着がうかがえる。週2日または週3日の出社を求める企業は、2021年12月と比較して増加傾向にあるほか、「週○日出社」というルールは設けていないものの、月に1〜2日程度の出社日を設ける企業もあり、出社とリモートワークのハイブリッド型を選択する企業が多い。

「転職ドラフト」に登録しているエンジニアの経験ロールでは、エンジニアリングマネージャの割合が高い一方、マネジメントを志向するキャリアパスだけでなく機械学習エンジニアなど高い技術力を追求するエンジニアも増えており、最近ではStaff EngineerやIndividual Contributor(IC)といったマネジメントロールを担わないキャリアパスも注目されている。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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