Gemini CLIとGoogle Antigravity──2つのエージェントの役割と特徴
Googleのコーディング支援ツールは、利用者の属性によって層が分かれている。個人向けの「Google Gemini」アプリ、開発者向けAPIプラットフォームの「Google AI Studio(ai.dev)」、企業向けのセキュアな環境を提供する「Vertex AI Studio」がある。そして、エージェントとして位置づけられるのが、「Gemini CLI」と「Google Antigravity」の2つだ。
Gemini CLIはターミナルで動作する汎用エージェントだ。ファイルの読み書き、Webページの検索、シェルコマンドの実行はビルトインツールとして標準搭載されており、他のツールと連携しなくても即座に使える。
「コーディングはもちろんのこと、反復するコマンド実行、ドキュメント作成、タスクの自動化、そしてさまざまなエージェントとしての役割を果たすことができるツールです。特化型エージェントではなく、汎用的なタスクを実行するのにふさわしいと思っています」と関本氏は語り、身近な使い道としてローカルにある写真のファイル名をルールに従って整理する例を紹介した。
セキュリティ面では、DockerやmacOSネイティブのSeatbelt機能を使ったサンドボックス環境での実行にも対応する。AIによる意図しないファイルの削除といった事態を防ぐことができる。また、最近追加されたGemini CLI Extensionsでは、MCPサーバーの一括導入や計画モードの追加、Skills登録などをワンコマンドで行えるマーケットプレイス機能も提供されている。
Google Antigravityは、VSCodeをベースに構築されたエージェントファーストなIDEだ。構成要素として「Agent Manager」「Editor」「Browser」「Terminal」の4つがある。
Agent Managerは複数のエージェントを管理するビューだ。フロントエンドを担当するエージェント、APIを書くエージェント、Google Cloudへの継続的なアップロードを担当するエージェントといった形で、役割を分けた複数のエージェントをワークスペース内で並行稼働させることができる。
EditorはAIが書いたコードを人間がレビュー・修正するための実際のエディタで、VSCode拡張機能も利用できる。BrowserはChromeブラウザと連携してアプリをテスト実行し、その結果をLLMが受け取って修正するループを構築できる。Terminalは先述のGemini CLIに近い機能を持ち、ローカルに対するコマンド操作を担う。
Antigravityの特徴的な機能が「Artifact(アーティファクト)」だ。エージェントが実行した結果を、テキスト、ブラウザテストの実行動画、スクリーンショットという形式で保存する。スクリーンショットにはVisual Feedbackという機能もあり、UI上の気になる部分を指定してデザインの変更提案を受けることも可能だ。

