GitHub CopilotのAgent Skillsを例に、コードの提案からデプロイまで
ここまで使用する技術や仕組みを見てきたので、ここからはどう実装するかを見ていこう。鍵となるテクノロジーがGitHub CopilotのAgent Skillsだ。具体的な作業の段取りをAIに教え込む仕組みで、コードを書くだけではなく、インフラのIaC、VectorDBのデプロイ、API実装など、あらゆるところに適用できる。
これまでAgent Skillsは設定が必要だったが、今では特定のディレクトリにファイルを置けばAIが読み取るようになり、新たな標準機能となった。なおSkillsが外部ツールとつながるためのコネクターがMCP(Model Context Protocol)だ。例えるならSkillsは専門知識としてツールの使い方を教える役割を担い、MCPはツールやデータへのアクセスを提供する接続層にあたる。現実の店舗なら、Skillsが知識豊富な店員で、MCPが商品棚や通路へのアクセスとなる。
Agent Skillsを使う上でのセキュリティ設計は、「実行権限を付与していいのか」など悩ましい点が多い。鈴木氏は「基本的にAgent Skillsは『どう判定するか』『どう確認するか』などの思考のフレームワークを定義するもので、MCP Serverは実際の実行を担当するものです」と説明する。
これまではスキルを特定のディレクトリに配置する手間や「AGENTS.md」の手動更新が課題だったが、鈴木氏はかつての後輩にあたるやまぱん!(@aktsmm)氏が作成したスキル管理ツール「Agent Skill Ninja」を紹介した。ネットに膨大に存在するSkillsをキーワード検索できて、スキル追加時に必要な作業を自動実行するのでスキルのインストールが大幅に楽になる。
それでは開発のスタート地点となるプロジェクトの作成に進もう。一般的には、開発者が自分のパソコンで環境を構築するが、鈴木氏は「GitHub Codespacesが一番便利」と推す。Constitution.mdだけを入れた空リポジトリをCodespacesで開いて、Copilotに全部作らせてしまうのだ。
まずはGitHubで名前をつけただけの空のリポジトリを作成し、中には「Constitution.md」を入れておく。そしてそのリポジトリをGitHub Codespacesで開き、Copilotのチャットから、モデルはClaude Sonnet 4.6を指定し「Spring Boot 3.xでバックエンドを作成して」「Java 17で」などと自然言語で指示すると、Copilotがプロジェクト構造、APIのコントローラー、DB接続設定などを画面右側のチャット内に生成する。
Copilotはエージェントモードでもコードの提案までという慎重なタイプなので、問題なければファイル生成を指示する。インフラの構築やDB設計などを進めて、実装が終わったら、リポジトリをコミットし、Zeaburから当該リポジトリを登録する。Zeaburは使われている技術スタックを全て自動で認識する。これで次回から簡易CI/CDのようにコミットするたび、Zeaburが自動的にデプロイを開始する。
なおデモでデプロイしたのはセマンティック検索に使うAzure Database for PostgreSQLだ。デプロイしたら、今度はMicrosoft Azureポータルから指定した通りにできているかを確認する。鈴木氏は「とんでもないプランになっているとお金がかかってしまいますから、ここはチェックが重要です」と念を押す。

