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Developers Summit 2026 セッションレポート(AD)

「AIが発達したらクビじゃない?」と娘に言われ──経験を武器に変える、47歳エンジニアの生存戦略

【19-C-8】「おとうさん、AIが発達したらクビじゃない?」──47歳、生涯エンジニア宣言。

経験豊かなエンジニアこそ、AIをうまく使える理由とは

 「AIには敵わない」「時間がない」「今さら始めても遅い」──40代のエンジニアなら、一度は頭をよぎる「あるある」な言い訳だ。しかし森松氏は、これらを「技術から逃げる言い訳」であると批判する。また「マネジメントへ専念する」ということについては、定型的な管理業務こそAIが最も得意とする領域であると指摘し、「今優先してAIに触れておかなければ、1年後の自分はもっと居場所がなくなっている」と、危機感を同時に突きつける。

 同氏がたどり着いた結論はシンプルだ。「経験の活かし方が変わっただけ」なのだ。経験を積んできたベテランエンジニアほど、AIという強力な新人を使いこなすための「問いの質」が高い。たとえば、システムでエラーが発生した際、若手は「どう直せばいい?」と問う。だが、経験者は「なぜこのエラーが起きる設計になっているのか?」と構造を疑う。ログイン機能を作る際も、若手は実装方法を聞くが、経験者は「ユーザーが離脱しない認証体験とは何か?」を問う。目的を「作ること」から「価値の設計」へと昇華させる力こそが、AI時代におけるベテランの介在価値そのものである。

 森松氏は、経験値が問いの質を変える理由を4つ挙げる。それは「結果の予測ができる」「見立てを持てる」「先回りができる」「全体を俯瞰できる」こと。AIという、知識は豊富だが判断力のない「新人」に対し、的確なプロンプトを投げて能力を引き出す「マネージャー」の役割を、エンジニア自身が担わなければならないのだ。

経験値が「問いの質」を変える理由
経験値が「問いの質」を変える理由

失敗体験・顧客理解・勘所が「最強の指示書」に変わる!

 では、具体的に「経験」をどのようにAIへ流し込むのか。森松氏は3つの組み合わせを提唱する。

 1つ目は「失敗経験とAI」。過去の失敗をAIに伝えると、同じ轍を踏まないためのリスク予測が得られる。失敗は、AI時代において輝く資産となるのだ。2つ目は「顧客理解とAI」。「この業界の顧客はこう考える」という現場の暗黙知をAIに与えることで、本質的な要件定義が可能になる。3つ目は「技術の勘所とAI」。ベテランが持つ「ここはハマりやすい」という直感をレビューに活かし、AIに重点的な検証箇所を指示することで、効率的に品質を担保できる。

 これからの開発スタイルは、従来の「直列・完成品・失敗できない・全行程を人間が担う」というモデルから、AI活用前提の「反復・プロトタイプ・失敗許容・人間は判断と責任を担う」というモデルへと激変する。AIは生成コストが安いため、何度でも作り直せる。だからこそ、完璧を目指すより先に、まず形にして検証する。森松氏は、この「反復」のループを回す司令塔として、自らの役割を再定義した。

 実際、森松氏はこの1年間、設計書の生成やWebサイトの構築を「プロンプトによる指示」だけで行ってきた。100回から200回の対話を通じてプロダクトを完成させる中で見えてきたのは、エンジニアの仕事の本質が「コードを書くこと」から「対話を通じて意思決定すること」へ移り変わったという現実である。そしてそのプロセスでは、人間を管理するのと同じ「ある手法」が劇的な効果を発揮した。

AI時代における開発スタイルの変化
AI時代における開発スタイルの変化

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AIの思考プロセスを「覗き見る」ことで、指示のズレを解消する

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この記事の著者

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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