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「EMConf JP」レポート

AIエージェントがコードを書く時代、EMに残される仕事とは?藤倉成太氏が描くエンジニア組織の変容

「AI Codingの先にある、Engineering Managerの本当の仕事」(キャディ VPoE 藤倉成太氏)

未来予測に意味はあるのか?それでも今、仮説を持って実践するしかない

 「未来を想像することに意味はあるのか」——藤倉氏は率直にそう問いかける。インターネット、SaaSのようなビジネスモデル、そして今のAI。27年間のキャリアで何度もトレンドの節目を経験し、毎回いろいろな意見を持ち、自分なりに信じたり疑ったりしてきた。だが振り返ると、あまり予測は当たっていない。

 だとすれば、今のAIトレンドについても未来を確定的に語ることに意味はないのかもしれない。アンテナの感度を高く保ち、新しいプラクティスが生まれたら素早く取り込み、世の中のトレンドについていく「巡航」ができれば大きく外すことはない——そう開き直ることもできる。

 しかし藤倉氏は、「それだけではマネージャーとしてはダメだ」と自分に言い聞かせる。組織に責任を持つ立場として、ベストプラクティスが確立されていない状況でも「今自分が死ぬほど考えた結果これがベストだ」というスタンスを持ち、不確実性を抱えながらも実践し続けることがマネジメントの仕事だと言う。

 「わからない中でも仮説を持って実践し、その結果に責任を引き受けること」——これがエンジニアリングマネージャーの本質的な仕事であり、AIエージェントが台頭しようと変わらない核心だと藤倉氏は語る。それはプロジェクト管理でも技術選定でもなく、不確実な未来に向き合い続ける「責任を引き受ける姿勢」そのものだ。

「100年に1回の大変化」この瞬間を楽しむために

 難しい仕事だ、と藤倉氏は認める。ICとしてOSのバグと格闘していた頃も大変だったが、事業や人間に向き合う仕事はそれとは比較にならないほど難しいと感じている。それでも、この日のイベントに集まった大勢の参加者を見ながら、みんなが難しいとわかった上でその仕事を楽しんでいると言う。

 今起きているAIの変化は、いつか将来振り返った時に「50年に1回、あるいは100年に1回の大変化だった」と言われる時代だと藤倉氏は確信している。そのただ中でエンジニアリングマネージャーという仕事をできていることは、きっと「めちゃくちゃ面白かった」と言える経験になるはずだ。コミュニティの仲間と情報交換しながら、自分の仮説を持ち、責任を引き受け、カオスを楽しんでいく——それがAIコーディングの先にある、エンジニアリングマネージャーの本当の仕事だと藤倉氏はセッションを締め括った。

キャディ株式会社 VP of Engineering 藤倉 成太氏

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

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