はじめに
2004年に初めてリリースされたRails Webアプリケーションフレームワークは、Ruby言語のキラーアプリケーションになり、CRUD(Create、Read、Update、Delete)パターンに基づくWebアプリケーションを短時間で作成できる非常に強力なツールとして急速に普及しました。そして2007年末、今やすっかり有名になったこのWebアプリケーションフレームワークのバージョン2.0がリリースされました。最初のリリースのときほどの驚きはありませんが、Rails 2.0はやはり多くのイノベーションを実現し、開発をより効率的で楽しいものにしています。
本稿では、Rails 2.0の概要と、最も重要な新しい機能を説明し、それらを使ってシンプルでも目を引くWebアプリケーションを作成する方法を紹介します。よくある「15分でブログを作る」というような例ではなく、ここで紹介するアプリケーションサンプルは、最近人気の写真共有Webサイト「Flickr」向けの、便利で一度使ったらやめられないフォトブラウザです。
図1~4は、サンプルのフォトブラウザ「RailTrack」のスクリーンショットです。スクリーンキャストについては、こちらを参照してください。
本稿にはRailTrackrのソースコードが添付されています。最新のコードについては、私のWebサイトを参照してください。ソースコードをダウンロードし、本稿を読むときの参考にしてください。このアプリケーションには多くの機能が用意されていますが、本稿では関連するスニペットのみをコードから抜粋して示します。