Delphi for PHPのデータベースアクセス 1
では、本編に戻り、Delphi for PHPのデータベース開発機能について紹介しましょう。
Delphi for PHPのコンポーネントフレームワークVCL for PHPには、データベースアクセスをサポートするコンポーネントが揃っています。これらのコンポーネントを使えば、ドラッグ&ドロップの操作で、基本的なデータベースアクセス機能を実装できます。
まずは「習うより慣れろ」で、データベース接続を実践してみましょう。ここでは、Delphi for PHPに付属しているInterBase Developer Editionを使います。InterBaseは、軽量RDBMSで、PHPによるWebアプリケーション用には最適なデータベースです。
InterBaseが起動している状態で、以下の操作を行います。
Data Explorerの設定
Delphi for PHPのIDEの右側に表示されている「Project Manager」ペインの下にあるタブ[Data Explorer]をクリックして、データエクスプローラ(Data Explorer)を表示します(図2)。
ここで、接続するデータベース、この場合は、InterBaseを選択してマウスの右ボタンをクリックし、[Register Database]メニューを選択します。表示されたダイアログボックスに以下のように入力します。
項目 | 値 |
Database type | InterBase |
Connection Name | myinterbase(識別しやすい任意の名前) |
Host | Localhost |
Database Name | (データベースファイルを指定します。例えば、InterBaseをインストールしたディレクトリ下の、examples\database\employee.gdb) |
Username | (ユーザー名) |
Password | (パスワード) |
入力が終わったら[OK]ボタンをクリックして、設定内容を保存します。すると、Data Explorerの[InterBase]項目下に、作成したmyinterbaseが表示されます。項目を開いていくと、myinterbaseで指定したデータベースのテーブル一覧が表示されます。
ドラッグ&ドロップでデータベースアプリケーションを作る
ここまで設定ができてしまえば、基本的なデータベースアプリケーションを作成する手順は大変シンプルです。[File|New|Application]で新規アプリケーションを作成したら、Data Explorerで表示したいテーブルを選択してマウスをドラッグし、フォーム上にドロップします。
すると、フォーム上には、データベースにアクセスするためのコンポーネント、グリッドなどが配置されます。
必要なプロパティは既に設定されているので、プログラムを実行するだけで、データを表示できます。
コンポーネントの解説
自動的に配置されたコンポーネントについて、簡単に解説しましょう。
Database
データベース接続を担当するコンポーネント。Data Explorerで指定した接続設定が、各プロパティに指定されます。
Table
データベーステーブルを扱うコンポーネント。Databaseプロパティに接続するデータベースへの接続設定を行ったDatabaseコンポーネントを指定します。TableNameプロパティに扱うテーブルの名前を指定します。
同じようなコンポーネントにQueryコンポーネントがありますが、こちらは、テーブルではなくクエリーをSQLプロパティに指定します。
Datasource
TableやQueryといったデータセットをグリッドやエディットといったデータ表示/編集用のコンポーネントと結び付けます。DataSetプロパティに、TableやQueryコンポーネントを指定します。
多くのコントロールには、Datasourceプロパティがあり、この値によって、Datasourceコンポーネントとの関連を定義します。
DBGrid
データを表形式で表示するコントロールです。AJAXを活用して、すばやいレスポンスでデータを表示・編集できます。Datasourceプロパティに指定したDatasourceコンポーネントに結び付けられたデータセットを表示します。