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CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

IT Women Summit セッションレポート

これさえあれば安心な「ガラスの靴」はもうない──先が見通せない時代、自分自身を幸せにするキャリアのつかみ方とは?

【Session5】シンデレラなんかになりたくない!ガラスの靴が割れた時代にどう歩く?

 高い技術力や資格、コミュニケーション能力、あるいは大企業への就職──これらは「持っていればハッピーエンドに導いてくれる」、いわば童話『シンデレラ』におけるガラスの靴のような存在であり、多くの人が追い求めてきたものだ。だが、AIの急激な進化によってこれまでの常識は崩れ去り、ガラスの靴も粉々に砕け散りつつある。こうした時代において、私たちはどのように自身のキャリアに向き合えばよいのだろうか。女性エンジニアとITリーダーが登壇するカンファレンス「IT Women Summit」では、SecuLeap 代表の野溝のみぞう氏が、自身の紆余曲折に満ちたキャリアをもとに、自らの力で幸せをつかみ取るためのマインドセットを語った。

永遠に続くと思われていた、ハッピーエンドに導いてくれる魔法の終わり

 それさえ手にしていれば、12時の鐘が鳴り響いても決して消えることのない永続的な価値。多くのソフトウェアエンジニアは、それを技術力やコミュニケーション能力、あるいはガクチカや難関資格、大企業への就職といった形で必死に追い求めてきた。しかし、野溝のみぞう氏はセッションの冒頭から、そのような都合の良い「ガラスの靴」など、この現代社会にはもうどこにも存在しないということに、多くの人が気付き始めていると指摘する。

合同会社SecuLeap 代表 野溝のみぞう氏
合同会社SecuLeap 代表 野溝のみぞう氏

 急速なAIの進化によって、人間の仕事や役割が代替されていく現象を指す「ギュられる」というネットスラングがある。野溝氏は、現代をまさに「大ギュられ時代」と定義し、幸運をただ待つだけでは救われない時代が来たと示唆。「シンデレラに出てくるガラスの靴は存在しませんし、魔法使いや王子様に見いだされるようなこともないでしょう。今日は、自分で自分を幸せにしていく術についてお話できればと思います」と述べる。

それを持っていればハッピーエンドに導いてくれる「ガラスの靴」はもう存在しない
それを持っていればハッピーエンドに導いてくれる「ガラスの靴」はもう存在しない

時代のプレッシャーと古い呪いに流され続け、キャリアの軸を見失う

 自分自身の力で自らを幸せにするにはどうすればいいのか。この問いに対する答えを導き出すため、野溝氏は自身の紆余曲折に満ちたキャリアの変遷を振り返る。同氏は就職氷河期のラスト世代として生き抜いてきたサバイバーである。高校生の頃は同人誌の執筆活動に没頭するいわゆる「オタク」。そして、当時の日本は不景気の真っ只中にあった。大学卒業後の就職率の低下から、社会全体に「大学に行っても就職できない」という風潮が広がっており、野溝氏の両親もその世相から大学進学ではなく手に職をつけることを勧め、野溝氏はデザイン系の専門学校へと進むことになる。これが、環境によって選択を狭められるという、同氏にとっての最初の「呪い」だった。

 専門学校を卒業した野溝氏は、WebやDTPのデザイナーとして最初のキャリアをスタートさせる。しかし、次第にプロダクトの表層を飾ることよりも、システムの内部にあるコアな仕組み、つまりプログラミングやインフラといった世界へと惹かれていく。当時は技術的な知見もあまりなく、すぐにエンジニアへと転職することはできなかったが、SIerで営業とエンジニアの架け橋となるプリセールスという職種にたどり着く。このときにセキュリティ商材を扱う機会を得たことが、同氏がセキュリティに関するインプットを始めるきっかけとなった。

 プライベートでは1回目の結婚という転機が訪れるが、ここでも野溝氏は、社会の見えないプレッシャーに流されることになる。「妻は夫の転勤についていくべきである」という、自身の中に根付いていた古い価値観に従い、東京を離れ、京都、そして茨城へと移り住むたびに転職を繰り返した。サポート職や多重請負のプログラマーなどの職種を経験しつつ、不足を感じていた学歴を補うために通信制の大学に編入し卒業も果たす。だが、再び夫の転勤の話が持ち上がったとき、野溝氏はそこでようやく「もうついていくのは無理だ」と悟り、1回目の離婚を経験する。

 自分の意志ではなく、他者の都合と環境の変化に流され続けた結果、キャリアの軸が見えなくなってしまった野溝氏。しかし、この流され続けた日々の先に、同氏のこれまでの職歴を一本の線でつなぐ、大きな転換点が待ち受けていた。

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100万件もの個人情報漏洩事故がもたらした「セキュリティ」という軸

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この記事の著者

森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

CodeZine編集部所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

関口 達朗(セキグチ タツロウ)

フリーカメラマン 1985年生まれ。東京工芸大学卒業後、2009年に小学館スクウェア写真事業部入社。2011年に朝日新聞出版写真部入社。2014から独立し、政治家やアーティストなどのポートレート、物イメージカットなどジャンルを問わず撮影。2児の父。旧姓結束。趣味アウトドア。

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https://codezine.jp/article/detail/24531 2026/06/30 10:00

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