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多彩なオンラインサービスを提供するオフィススイート「Zoho」の背景に迫る

Zohoプロダクトマネージャーに聞く、Zohoシリーズの魅力とは

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2008/06/18 14:45

目次

――オフィス系のサービスは、例えばMS Office製品と比べて、どの程度の機能まで実装しているのでしょうか?

 非常に良い質問です。深さという観点では、正直 MS Office製品に比べて、まだ機能的に劣っています。例えば、Zoho Sheetをとってみると、現在マクロに関しては、Excelマクロの6割ほどの機能をカバーしています。また、VBAでのコード編集のみで、マクロの記録&再生の機能はありません。しかし、これらの機能についても提供するつもりであり、現在開発を進めています。

 優位性としては、MS Office製品が提供していない機能、たとえばコラボレーション機能が挙げられます。Zohoでは、スプレッドシートをオンラインで共有できるため、メールに添付して送る必要はありません。チャット機能も提供しています。

 多くの人が使うような機能でまだ提供できていないものも当然ありますが、これらも随時提供していく予定です。正直に言うと、100%完璧にExcelとマッチするような機能をすぐに提供するのは難しいと思いますが、私達はこのようなMS Office製品にはない機能も重視しています。

――オフラインでの利用も気になりますが、サポート状況は?

 オフライン機能も提供中です。Google社の「Gears」がオープンソースですので、これを利用してオフライン機能を実装しています。GearsとZoho Writerの連携はすでにリリースされていて、閲覧と編集機能も提供中です(今後は、Mail、Show、Notebookで提供予定)。

――Zohoはどのようなビジネスモデルなんでしょうか、例えば広告を入れるとか?

 現在のところ、広告のプランはありません。サービスはできるだけシンプルにしていくつもりです。収益については、ビジネスユーザ、特に当初はSME向けのサービス強化と課金を予定しています。

 Zoho CRM、Zoho Projects、Zoho Creator、Wiki、Invoice等では既に課金を開始していて、例えばCRMが月額1,800円から、Projectsは800円からのプランを提供しています。Zoho Businessという中小企業向けのサービスもリリースする予定です。このサービスには、すべてのZohoサービスが統合される予定です。1ユーザあたり月額7,000円程度を予定しています。

 なお、各サービスのエントリー版(個人利用を意識したものです)については無料で提供し続けていきます。これは私達にとって非常に重要なマーケティングツールと考えています。

――Zohoのアーキテクチャについて教えてください

 Zohoのアーキテクチャは、内部利用のために構築したプラットフォーム「SASグリッド」を基盤にしています。これはネットワーク管理 関連分野の製品開発において、過去5年間かけて構築してきたものです。同じグリッドをZoho用に修正して使用しています。

 ハイレベルのスケーラビリティを有し、データベース、ファイル用のストレージグリッドやコンピューティンググリッドが含まれています。例えば、関数を利用したセルを編集するような場合、これは関数用のエンジンだけでなく、コンピューティングエンジンの話になってきます。また、多数のユーザが同時にアクセスしたときに、どのようにロードバランス(負荷分散)を行うのかも問題になります。

 このようなことを考慮して、私達は3つのレベルのグリッドを構築しています。「ストレージグリッド」「コンピューティンググリッド」「メッセージグリッド」です。

 メッセージグリッドはチャットなどに使われるものです。ストレージグリッドは、アプリケーションサーバグリッド、データベースグリッド、ファイルサーバグリッド、バックアップといった構成になっています。すべてのものがオンラインでやりとりされるため、私達はセキュリティを非常に重要視し、SSLサポートを強化しています。

 アプリケーションサーバやデータベースサーバの他にもフリーノードがあって、これはロードバランサー(ルーティングサーバ)になっています。もしアプリケーションサーバやデータベースサーバに問題があった場合、フリーノードがその役割を代替します。このように私達は、クラウドコンピューティング、高度なスケーラビリティー、ハイパフォーマンスを主眼としたデザインのグリッドを構築しています。また、グリッドの状況を管理する管理者用のコンソールも用意しています。

 技術的な観点から言うと、Zoho SheetはMicrosoft Excelより動作を速くできる可能性があります。Excelではブックを開き、その情報をパースし、UIに表示します。これに対し、Zoho Sheetでは、シートとして構成された情報をHTMLで展開します。表示する情報はただのHTMLにすぎませんので、非常に速く表示することが可能です。これも、Web上でサービスを提供する利点の1つです。

――最後に、ビジネス利用で特に気になる、セキュリティ対策について教えてください

 私達のデータセンターはアメリカのカリフォルニアにあり、3つの異なる場所で、毎日・毎週バックアップをとっています。データセンター自体も生物学的認証などのセキュリティ対策を講じており、私達管理者自身も顧客のデータをみることはできません。

 これは現在開発中の話ですが、ユーザに対してドキュメントを暗号化して送付するオプションを提供する予定です。データはZohoのサーバに暗号化された形で保存され、ユーザはストアキーを使ってそれを取り出すことになります。

 このようにセキュリティを重要視していて、特に日本市場ではこのような取り組みが重要と考えています。

 


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著者プロフィール

  • 斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

    メディア編集部 メディア1(CodeZine/EdTechZine/ProductZine)編集統括 兼 EdTechZine/ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開...

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