Azureアプリケーションの開発方法
新たにAzureにチャレンジしたい人は、コンテストのページにも紹介されているとおり、次の技術情報が参考になる。
- Azure Services Platform デベロッパー センター
- Microsoft クラウド コンピューティング ツール
- Windows Azure Tools for Microsoft Visual Studio (Windows Azure SDKを含む。英語)
- Live Framework Tools for Microsoft Visual Studio April 2009 CTP(Live Framework SDKを含む。英語)
- Microsoft .NET Services SDK (March 2009 CTP)
- Microsoft Tech Fielders コラム - Azure 関連記事
現状のAzure Services PlatformのCTP版では、1ユーザー1CPUに1VM、VMの合計演算利用時間が2万時間まで、ストレージ容量は50Gbytes、1日あたり呼び出せる容量は20Gbytesなどの制限があるが、コンテストの審査基準は、発想のユニーク性や既存資産の活用とあるので、大掛かりなアプリケーションである必要はない。応募には十分なスペックだ。平野氏によると、先日のバージョンアップでCGIやPHPの利用が可能になり、理論上はJavaやRuby、Pythonも動作するとのこと。
Azureの可能性と今後の展開
Azureの可能性について平野氏は「自分でリソースを用意しなくてよく、小さく始めて大きく育てることができるというメリットは、他のクラウドのサービスと同じです。1年間に数週間訪れる繁忙期のために何百台もサーバを維持しなければならないSaaS型のビジネスアプリケーションなどは、Azureに展開することで、必要な時期に必要なだけ利用すればよくなります」とした。
続けて平野氏は、Azure上で稼働するJTBのサービス『Toripoto(トリポト)』を例に「JTB様の場合、オンラインでトランザクションが発生するような部分は自社サーバで用意できますが、ユーザーが旅行について興味を持つための情報収集や、ブログなどでの情報共有といった、利用者の検討段階に必要なサービスは自社のサーバには取り込みにくいです。そこをクラウドに任せるという利用法です」と現段階での活用例について話した。
さらにAzureの今後の展開について平野氏は「まず、北米のデータセンターで今年の11月にサービスインします。サービス内容や利用料は、7月の中旬くらいにアナウンスする予定です。日本国内のデータセンターについては現在準備段階で、来年2月のTechDaysで何らかの発表をしたいと思います。いずれにしても今後Azureに注力してまいります」とサービスイン前の意気込みを語った。
まずは多くに人に体験してもらい、ノウハウを蓄積したい
最後に両名からコンテスト参加者する開発者に向けたメッセージをいただいた。
大森氏「まだ発表したばかりのプラットフォームで、まずは体験してもらう段階です。『クラウドの実態はわかったが、そこで何をしたら効果的か?』といった段階まで到達していません。今回のコンテストで思わぬ利用法などを提案してくれる開発者もいると期待していますが、コンテストはこれで1回だけで終わりというわけではなく、今後もAzureを積極的に盛り上げていく予定です。初期段階からトライしていただくことで、クラウド開発の流れをつかんでいただき、今後に活かしてほしいと思っています」
平野氏「Azureはサポート範囲が広く、ストレージだけを呼び出したり、SQLを呼び出したり、ワークフローの機能など、非常に多くのファンクションを持っています。将来的には、エンタープライズ方面への利用を視野に入れていますが、今回のコンテストはその前段階で、多様な人に分かりやすいところから体験してもらい、皆でノウハウを蓄積・共有したいと思っています」
コンテストの締め切りは目前なので、エントリーはお早めに。間に合わなかったとしても、一般投票での参加で世界中の開発者からエントリーされたAzureアプリケーションに触れることで、トレンドをつかむことができるだろう。